書店数と売り場面積推移(2010年10月版)

2010/10/19 07:09

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街の本屋書店業界などの最新情報を配信する「日本著書販促センター」の「出版業界の豆知識」で先日、『白書出版産業 2010』を元にした、日本国内の書店数推移が掲載された。民間業者「アルメディア」の統計値を元にしたもので、2000年以降の書店数と総売り場面積が記載されている。以前同様にアルメディアからのデータを抽出した数字に基づいた書店数推移【書店の減り具合(2010年1月更新版)】とほぼ一致していること、売り場面積も併記されているということで、資料性が高い。今回はこれをグラフ化しておくことにした。



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先の記事「書店の減り具合(2010年1月更新版)」と書店数推移で比較してみると今件データでは、昔の書店数は一致するものの、ここ数年分はやや誤差が見られる。詳細は不明だが、微調整が行われているものと思われる。

↑ 書店数・売り場面積推移(「白書出版産業2010」より)
↑ 書店数・売り場面積推移(「白書出版産業2010」より)

書店数周りの記事で繰り返しお伝えしてきたように、書店数の減少と売り場面積の増加が確認できる。そしてこの2項目から「書店の大型・集約化」も推測できるわけで、それを示すのが次のグラフ。1書店あたりの平均面積を計算したものだが、この10年で1.6倍ほどに増えているのが分かる。

↑ 1書店あたり平均売り場面積推移(平方メートル)(「白書出版産業2010」より算出)
↑ 1書店あたり平均売り場面積推移(平方メートル)(「白書出版産業2010」より算出)

カウントの基準が異なるのか、直近分データを他で公開されている数字と比べると数百店の単位で差異が見受けられるが、いずれにしても「店舗数減退」「総面積及び1店舗当たりの平均売り場面積の増加」「書店の集約化・大型化」という傾向がここ数年ではなく、少なくとも10年前から起きていたことが分かる。

経済産業省・商業統計調査のデータもグラフ化しておく
元記事では経済産業省発表のデータも記載されているが、こちらはペースが3年おき、しかもアルメディアのと計測方法が異なり(こちらでは書店以外に古本屋や楽譜小売業なども含まれている)、さらに期間途中で計測スタイルに変化が生じているため一部データに欠損が生じている。それでもアルメディアのものより古くからのデータが存在し、より昔の推移を知るには貴重なデータということで、やや無理やりではあるがグラフ化しておく。

↑ 書店数・売り場面積推移(経済産業省・商業統計調査より)
↑ 書店数・売り場面積推移(経済産業省・商業統計調査より)

書店数推移は計測データ間を移動平均線で結んでみたが、1980年代後半をピークに減少を始めている一方、売り場総面積は増加の一途をたどっているのが分かる。インターネットによるネット通販が普及し始めたのは21世紀に入ってから。ネット通販云々以前に一般小売業としての書店業界は、集約化・大型化の動きが進んでいたことが確認できる。

そして1書店あたりの平均売り場面積を算出した結果も、それを裏付けるものとなっている。

↑ 1書店あたり平均売り場面積推移(平方メートル)(経済産業省・商業統計調査より算出)
↑ 1書店あたり平均売り場面積推移(平方メートル)(経済産業省・商業統計調査より算出)

コンビニの雑誌コーナーこちらも移動平均線で結んでみたが、30年近くの間に平均面積が3倍以上に増加していることが分かる。インターネット通販の普及は、一般小売業として書店に大きなプレッシャーを与えているのは事実だが、それはあくまでも書店周辺の動きを加速化させただけで、流れそのものは前々から起きていたことが改めて確認できよう。

……あるいは姉妹サイトの記事【そういやコンビニでどんな買物してたっけ】でも少々触れているのだが、コンビニエンスストアで週刊誌などの定期発刊誌が購入できるようになったのも、書店の立場に少なからぬ影響を与え続けているのかもしれない。



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