米ヤフー曰く「JavaScriptをオフにして閲覧している人は1%前後」
2010/10/18 19:30
先日、巡回しているサイト経由で、アメリカの開発者向けブログ【Yahoo! Developer Network】で掲載された記事において、「JavaScriptを切って閲覧している人は1%前後である」という調査報告が掲載されたとの話が入ってきた。JavaScriptはブログパーツなどにも多用され、サイト運営側としては閲覧者に切ってほしくない機能の一つ。同時にサイト閲覧側からすれば「何か怖いかも」「表示が重たい」「色々と邪魔」との理由で、ブラウザの機能を用いて表示を切る場合も十分ありうる。非常に興味深い話なので、早速詳細に目を通して見ることにした(【原文:How many users have JavaScript disabled?】、【紹介文:JavaScriptをオフにしているブラウザは1%前後。米ヤフー調べ】)。
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↑ JavaScriptを切っているユーザー比率(Yahoo! Developer Networkより)
元記事では「上手に構築されたサイトやアプリケーションは、JavaScriptをオフにして閲覧している人のことも考えねばならない」とした上で、「では実際、どれくらいの人がオフにしている(切っている)のか」と問題提起。そしてYahoo!内部でアクセスログを解析した結果を発表している。これはいわゆる検索エンジン用のロボットプログラムによる参照など「自動情報収集のためのスクリプト」を除外した値。
それによると、アメリカでは2.06%、フランスでは1.46%、公開されたデータ内ではもっと低いブラジルでは0.26%の人がオフにしているとの結果が。具体名を挙げた国以外では、大体1.3%前後に落ち着いている。
元記事ではいくつかの留意点も指摘されている。例えばアメリカのYahoo!の値はアメリカ国内だけでなく様々な国からのアクセスを受け付けた結果なので、「アメリカ”のユーザー”は2.06%オフにしている」とは言い切れないこと。また、わずか2%前後でしかないとしても、Yahoo! アメリカのアクセス数は毎月3億ユニークユーザーに及ぶため、「毎月600万人のユーザーがJavaScriptをオフにして閲覧している」という事実、つまり割合は少なくとも閲覧者数では膨大な数になりうるという点にも注意してほしい、と述べている。
●いくつかこちらでも追加情報を
さてこれで終わってしまっては少々面白くないので、こちらからもいくつか補足で情報を盛り込むことにする。毎月のアクセスレポートでも触れている、アクセス解析の無料サービスとしてはほぼ最強に近い【Google Analytics】をはじめ、多くのアクセス解析サービスは「調べるタグを該当ページに貼りつけ、JavaScriptの仕組みでアクセスした人の動向を確認する」という仕組みを取っている。従って、「Java」や「Flash」のオン・オフの確認はできても、「JavaScript」については分からない。切られてしまったら、解析そのものができないからだ。
↑ Google Analyticsから、Javaをオンにして当サイトを閲覧しているか否かの計測データ。93.29%はオンにしたまま閲覧しているという結果が出ている
JavaScriptのオン・オフを調べる方法はいくつかある。一つは上記元記事にあるように、サーバーのアクセスログを直接解析すること。レンタルサーバーや独自サーバーでブログ・サイトを運営している人は、例えばAnalogなどの解析ソフトを使い、チェックをすることができる。
あるいはJavaScriptを使わないアクセス解析サービス・ソフト(例えばSSIを用いる)を自前で用意すること。こちらも多数スクリプトが配布されてはいるが、問題なのはサーバーの負担が累乗的に増加する点。アクセスが集中するとあっという間にサーバーがパンクしてしまう(……と経験者は語る)。
正直、個人ベース・個々のサイトベースで「JavaScriptを切っている人の割合」を確認する必要はあまり無い。妙なJavaScriptを大量に貼ったサイトでない限り、現状では今回Yahoo!アメリカで提示された「閲覧者の1-2%程度」と見て良いだろう。
逆にいえばYahoo!アメリカで指摘しているように、「自分が把握している閲覧者の1%-2%に相当する人数はJavaScriptをオフにしている(把握自体はできないのだから、計測値とは別個になる)」と考える必要がある。絶対数が多い場合、何らかの対処をしておいた方が閲覧者にとってフレンドリーなサイトといえよう。
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