単身世帯で電子マネーはどこまで使われているのか…単身世帯における年齢階層別電子マネーの利用状態(最新)
2021/08/31 03:14


スポンサードリンク
今調査の調査要目は先行記事【食費の割合が減り、家賃負担が増加…一人暮らしをする若者のお金の使い道の実情(最新)】を参照のこと。
まずは月あたりの消費支出(税金や社会保険料をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」)に関して、支払い方法を「現金」「クレジットカード、月賦、掛け買い、電子マネー(ポストペイ)」「電子マネー(プリペイド)」の3項目で区分し、それぞれの方法に関する使用金額を男女別・年齢階層別に確認したもの。電子マネー(プリペイド)は利用額が少ないので、グラフ上の面積はごくわずかでしかない。

↑ 消費支出における支払い方法(単身世帯、男性、年齢階層別、円)(2019年)

↑ 消費支出における支払い方法(単身世帯、女性、年齢階層別、円)(2019年)
金額的にはややばらつきがあるものの、電子マネー(プリペイド)は現金払いやクレジットカードなどによる支払いと比べれば、ごく少額。元々クレジットカードよりも気軽で、少額の支払いを面倒無く行える利便性が買われているのだから、当然といえば当然の話ではある。利用金額ではなく利用回数の計測が行われていれば、電子マネー(プリペイド)はもっと大きな存在感を示すに違いない。
また女性、特に中年層でクレジットカードなどの金額が男性と比べて多いのが分かる。これは男性より女性の方が月賦払いで高額商品(パソコンをはじめとした家電商品や衣料品)を購入する傾向が強いことの表れでもある。
さて肝心の「消費支出全体に占める、電子マネーの利用金額比率」は次の通りとなる。上記のグラフから容易に想像ができる通り、電子マネーの比率はほんのわずか。

↑ 消費支出における支払い方法(単身世帯、男性、年齢階層別、比率)(2019年)

↑ 消費支出における支払い方法(単身世帯、女性、年齢階層別、比率)(2019年)
やはり女性の、中でも中年層のクレジットカードなど比率が高い。それはさておき、電子マネーの利用性向はせいぜい数%でしかないことが分かる。元々「おサイフケータイ」の使い方を思い返してみれば分かるように、また上記でも指摘の通り、「少額決済の手間を省く」のが電子マネーの一義的な存在理由。したがって利用頻度が高くても、金額は小さなものになってしまう。
また、男女ともに70歳以上における現金比率が極めて高く、クレジットカードなどや電子マネー(プリペイド)があまり活用されていないことも確認できる。現金だけで事足りて使う必要がないのか、利用ハードルが高くて躊躇しているのかまでは分からないが。
先行記事でも利用支払い割合が高い項目を挙げているが、その結果にある通り、男女とも電子マネーの利用が、公共交通機関の支払いをメインにしている以上、消費支出の額面上の比率では、劇的に数字が上がることは今後も無いものと見てよい(日常定期的に利用する場合は定期券を購入するため、電子マネーは使わない)。

↑ 電子マネー(プリペイド)の支払割合が高い品目(男女別)(2019年)(再録)
とはいえ、その利便性から察するに、導入・運用コストを考慮すると小規模店舗も含めすべての小売店での導入は難しいものの、利用場面は今後とも増えることに間違いはない。時代の流れとともに少しずつ、そして確実に利用金額、シェアともに増加するのは容易に想像できよう。
■関連記事:
【一番は店舗カード、電子マネーは3割強…子持ち主婦のカード利用事情を探る】
【少額は現金、そして電子マネー…単身世帯の代金支払い方法の移り変わり(最新)】
スポンサードリンク
