「寝る子は育つ」とは言い切れない…年齢的に「子供」の睡眠時間と体力テストの平均点との関係
2010/10/18 07:02


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今データは「平成21年度体力・運動能力調査」のうち、【e-Stat】から取得したデータを解析したもの。具体的には「10.1日の睡眠時間別体格測定・テストの結果」から該当年齢区分のデータにおいて、体力テストの「合計点」における平均値部分を抽出していく。なお、得点基準は男女毎、6-11歳・12-19歳・20-64歳・65-79歳によって異なるので、6-11歳と12-19歳のそれぞれについてグラフ化を試みることにする。
日頃の1日あたりの睡眠時間について「6時間未満」「6時間-8時間未満」「8時間以上」の三区分に分類した上で、それぞれの属性における体力テストの合計平均値の推移を集計、グラフ化したのが次の図。まずは6-11歳について。

↑ 年齢段階別、1日の睡眠時間と体力テスト合計平均点の相対的比較(男子)(6-11歳)

↑ 年齢段階別、1日の睡眠時間と体力テスト合計平均点の相対的比較(女子)(6-11歳)
育ち盛り、伸び盛りな年頃ということもあり、睡眠時間と体力テストの平均点との間には、あまり関連性がないのが確認できる。ただし良く見ると8歳あたりから睡眠時間の少ない層ではやや低め、特に女子では男子よりも大きく下にかい離しているのが確認できる。これは以前【テレビの見過ぎは体力低下に…?! テレビ視聴時間と体力テストの平均点との関係】でも指摘したが、男子よりも女子の方が早熟なことが数字上に表れていることが想像できる。
大きな違いが見えてくるのは12歳以降の、次のグラフ。上の11歳までのグラフとは得点基準が異なることに注意してほしい。

↑ 年齢段階別、1日の睡眠時間と体力テスト合計平均点の相対的比較(男子)(12-19歳)

↑ 年齢段階別、1日の睡眠時間と体力テスト合計平均点の相対的比較(女子)(12-19歳)
まず一見して分かるのは、テレビの視聴時間の場合と同じように、男子が少なくとも17歳くらいまでは体力テスト合計平均点の面で成長を続けている一方、女子は14歳くらいで成長が止まること。男女のポイントをそのまま比較することは出来ないので、男子が勝る・女子が劣るということではなく、女子が成熟で早めに成長のピーク(14歳)に達する・男子は女子よりもピーク(17歳)が遅めになると見るべき。
そして問題なのは、睡眠時間による差異。まず男子だが、14歳まではほとんど差異はないものの、15歳以降は「6時間未満」「6時間-8時間未満」がほぼ同数値で競り合いながら伸びを見せているのに対し、「8時間以上」はほぼ横ばいの値を見せてしまっている。女子に至っては14歳を超えると「8時間以上」は逆に平均値が落ちる始末。

今件では因果関係までは説明できないので「寝過ぎると体力が落ちる」と直結した結論を述べることは出来ないが、少なくとも「体力の面から考えれば、8時間以上の睡眠は必要ないかな」ということ位は考えても良さそうだ。
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