「そこにコンビニがあるからだ」……!? 小中学生がコンビニに行く理由とは
2010/10/18 06:59
ネットマイルは2010年10月14日、小中学生のコンビニ(コンビニエンスストア)に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においてはコンビニに行く目的としてもっとも多かったのは「お菓子購入」だった。続いて「飲物購入」「ご飯購入」と、飲食系の目的が上位を占めている。またスーパーなどの他業種店舗では無くコンビニに行く理由を聞いたところ、「家や学校などの近くや通り道にある」とする回答がもっとも多かった。小中学生にとっては飲食物の調達のために、移動過程でぶらりと立ち寄れる場として存在しているのだろう(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2010年9月17日から21日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は494人、男女比は96対398。学年階層比は小学校低学年が3.8%・同中学年が20.5%・同高学年が49.0%・中学生が11.5%。なお小学校小学年は19人しかいないので調査結果考察からは除外してある。
今調査母体の小中学生において、コンビニの利用性向はそれなりに高く、「毎日」が4.3%なのをはじめ、33.2%が「週一以上」と答えている。
↑ 普段どれくらいコンビニにいくか(再録)
それではコンビニに足を運ぶ目的は何なのだろうか。買物? 立ち読み? それとも時間つぶし? 最上位を占めた回答は「お菓子購入」で8割以上の人が同意を示していた。
↑ コンビニに行く目的は?
上位三位を飲食類が占めているが、その中では主食の「ご飯購入」が一番少ない。朝昼晩のご飯をコンビニで調達、という人は比較的少なく(それでも5割前後の人が利用すると回答している)、口寂しい時や小腹がすいた時のおやつなどの補充拠点としてコンビニが多く使われていることが分かる。あるいは冬場なら中華まん、夏場ならアイスのような、暑さ寒さをしのぐための飲食品の調達か。
その他の項目では「時間つぶし」が学年と共に上昇しているのが目に留まる。学校での勉強時間の増加、塾通いの割合が増えることを考えれば、単純に「暇だから」ではなく、学校と塾、そして塾と自宅の合間の「すきま時間」の活用場所としてコンビニを使う人が増えていると考えられる。
一方、これらの目的のためコンビニに足を運ぶ理由(スーパーや一般小売店、ドラッグストアではなく、という意味)を聞いたところ、最多回答率を誇ったのが「家・学校などの近くや通り道にある」。全体では5割近く、中学生になると5割強に達する。
↑ コンビニに行く理由は?
説明文中には無いが、家や学校以外に塾の存在も考慮する必要がある。登校・下校時は寄り道をとがめられるかもしれないが、塾通いならその心配はあまり要らない。特に塾帰りにはコンビニに立ち寄る子供は多い。
↑ 「コンビニにはいついくか」のうち「塾や習い事」周り(再録)
学校の登下校時だけでなく、塾通いという「近く・通り道」へのコンビニ立ち寄り機会が増えたことも一因と考えられる。もちろん大きくなるに連れて「寄り道しても怒られない歳になった」というのも考えられるが。
他方、コンビニの場所では無く内部の特性のうち、学年が上がるにつれて「いつでも開いている」「商品種類が多い」などが減少するのに対し、「新商品が多い」が増加傾向にあるのが目に留まる。【そういやコンビニでどんな買物してたっけ】でも当方が語っているが、「何か新しいものがあるか否かのチェック」のため、言い換えれば「トレンドチェック」のためにコンビニを利用する傾向が増えているのが分かる。
コンビニが社会生活に溶け込むにつれて、大人はもちろん子供も気軽に、それこそ昔の「近所の駄菓子屋さん」のように足を運び、利用するようになった。お菓子や飲物を買ったり、時間つぶしをしたり、トレンドをチェックするなどの要素は、まさに「近所の駄菓子屋さん」と変わらない。コンビニの前で子供達がおしゃべりをしたり遊んでいる様子を見かけるのも、コンビニが子供にとってのコミュニティの場としてのポジションを占めているからに他ならない。
ただし「近所の駄菓子屋さん」とコンビニが異なるのは、コンビニが大人も利用する普通の小売店であり、「駄菓子屋のお店のおばちゃん」のような接客応対は望めないこと、そして子供が遊ぶ場は通常用意していない点にある。保護者はその点を子供に良く言い聞かせるべきであるし、逆にそのような要素も併せ持ったコンビニの存在が求められているのかもしれない。
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