オンライン・ストレージの使用目的、トップはデータの複数個所での利用のため

2010/10/14 12:00

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ストレージマイボイスコムは2010年9月27日、オンライン・ストレージに関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうちオンラインス・トレージを使っている人においては、使用理由としてもっとも多くの人が挙げた項目は「ファイルを色々な場所で使う」だった。多数の作業用ファイルをあちこちに持ち運びすることなく、そのファイルを動かすクライアントソフトがあれば、どこででも活用できる融通の効く点が受けているのだろう(【発表リリース】)。



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今調査は2010年9月1日から5日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万3868人。男女比は46対54、年齢階層比は10代2%・20代12%・30代32%・40代31%・50歳以上23%。

ウェブサイトやブログを開設運営するためには、サーバー領域にファイルをアップロードすることが必要。不特定多数の人にサイト・ブログを見てもらうのは、アップロードされた多数のファイルをそれぞれの人の端末にダウンロードし、専用のツール(ブラウザなど)で表示することに他ならないからだ。回線速度が上がり、サーバー本体のランニングコストが劇的に下がり、大容量を無料、あるいは安価で提供できるようになると、そのサーバー領域を「ファイルの預かり所」として使う方法が生み出され、ビジネスとして浸透するようになる。これが「オンライン・ストレージ」(オンライン上の倉庫)である。

今調査母体ではオンライン・ストレージの認知度は37.0%、利用者はそのうち49.6%。全体に対する利用者率は18.6%という結果が出ている。2割足らずの人がオンライン・ストレージを使っているという計算。ちなみによく使われているストレージのトップはGmail、次いで宅ふぁいる便の順だった。

↑ 利用されているオンラインストレージ・トップ5(利用しているもの、複数回答)
↑ 利用されているオンラインストレージ・トップ5(利用しているもの、複数回答)

それでは利用している人たちは、どのような目的でオンライン・ストレージを使っているのだろうか。複数回答で聞いたところ、トップは「ファイルを色々な場所で使う」だった。三分の一強の人がこの使い方をしていると答えている。

↑ オンライン・ストレージを使う目的(利用者限定、複数回答)
↑ オンライン・ストレージを使う目的(利用者限定、複数回答)

例えば執筆途中の小説を自宅のパソコンと旅行先のノートパソコンで書き連ねる場合、両方の端末で常にファイルを最新のものにしておかないと、旅行先で「自宅のパソコンで先に進めておいたのに、最新のデータをコピーしてなかったから書き進めることが出来ない」と頭を抱える始末になる。同期をするソフト・仕組みがあるものも少なくないが、正直面倒くさい。しかし元データをオンライン・ストレージ上に保存しておき、自宅でも旅行先でも、そのストレージからダウンロードして手元の端末で執筆作業を進め、終わったらストレージにアップロードしておけば、いつでも最新のデータで書き進めることができる。

サーバー最近はUSBメモリも大容量・高速アクセス可能のものが安価で手に入るようになったため、それをデータの保存先として使う手もある。しかし「インターネットにアクセスできれば、いつでもどこでもデータを利用可能」で「メモリの持ち忘れリスクもない」長所は捨てがたい。

第二位の「メールで送れないサイズのファイルを送る」、第三位の「データのバックアップ」、第四位の「大容量、または大量のファイルを保存する」は、言葉通り「ストレージ(倉庫)」としての役割の向きが強い。使っていたパソコンが突然使えなくなった時でも、オンライン・ストレージ上にデータがあれば、被害は最小限で留められる。また自分のパソコン上にファイルを置ききれなくなった時、物置小屋のごとくオンライン・ストレージを使うことができる。

とりわけ「メールで送れないサイズのファイルを送る」は、送り手だけでなく受け手側の規制でやりとりが出来ない可能性もあるので、非常に重宝するお話。多数の人に同じファイルを送りたい場合、相手の数だけ大量・大容量のファイルを送っていたのでは、送信側のサーバーがパンクしかねない。例えば「壁紙プレゼント」のイベントを行う際に、登録会員1万人全員にメールでファイルを送るのは不毛でしか無い。サーバーにファイルをアップロードし、「ここからダウンロードして下さい」と指定すれば済む。



もちろんこれらのメリットは、パソコン・インターネット上のファイルが「容易に転送でき」「コピーが可能」だからに他ならない。それは同時に、多数の複製ファイルが創られ得ることをも意味する。プライベートなデータをつい一般公開してしまったり、古いファイルをストレージ上にある最新ファイルに上書きしてしまったり、不特定多数がアクセスできる端末でダウンロードしたファイルをそのまま放置してしまうなど、ファイル内容次第では致命的なダメージを受けるリスクも生じる。

便利であればあるほど、同時に「うっかりミス」も増えてくる。便利さゆえに気を抜いてしまい、痛い目に遭わないよう、くれぐれも気を付けてほしいものだ。



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