男女で微妙に異なる結果…朝食を食べる度合いと体力テストの平均点との関係
2010/10/14 06:50
文部科学省は2010年10月10日、平成21年度体力・運動能力調査の結果を発表した。それによると「日常的な運動をしている人はそうでない人に比べ、体力の減少率が低い」、言い換えれば「日常的な運動をしている人は体力の面で若さを維持しやすい」という統計データが出たことは【日常的な運動は10歳単位で体力差を生みだす…運動頻度と体力テストの平均点との関係】で示した通り。今回は発表された統計データで「概要」で解説がなされかった項目の中から、「朝食の摂取状況と体力テストの合計平均点との関係」についてグラフ化してみることにした。
スポンサードリンク
今データは「平成21年度体力・運動能力調査」のうち、具体的データを収録した総合窓口【e-Stat】から取得したデータを解析したもの。具体的には「9.朝食の摂取状況別体格測定・テストの結果」から該当年齢区分のデータにおいて、体力テストの「合計点」における平均値部分を抽出していく。なお、得点基準は男女毎、6-11歳・12-19歳・20-64歳・65-79歳によって異なるため、今回は20-64歳の男女についてグラフ化している。
日頃の朝食摂取頻度について「毎日食べる」「時々食べない」「毎日食べない」の三区分に分類した上で、それぞれの属性における体力テストの合計平均値の推移を集計、グラフ化したのが次の図。男女間で基準が異なるから男女の数字上の比較はできないが、男女でやや異なる傾向が見られるのが確認できる。
↑ 年齢段階別、朝食の摂取状況と体力テスト合計平均点の相対的比較(男子)
↑ 年齢段階別、朝食の摂取状況と体力テスト合計平均点の相対的比較(女子)
男性の場合、一部の年齢階層で「時々食べない」「毎日食べない」がほぼ同数の部分もあるものの、「毎日食べる>時々食べない>毎日食べない」がほぼ成立していることが分かる。今件は相関関係を示したもので、因果関係までは説明できないものの、「朝食を毎日しっかり取っている人の方が、体力的には若い」ことが分かる。特に30-54歳にかけては、「毎日食べる」人とそうでない人との間のかい離が大きくなっているのが分かる。
一方女性の場合、一概に「朝食を食べる頻度が高い方が体力テストの結果が良い」とは言い切れない状態にある。「毎日食べる」人が各年齢階層で一番高い得点をしている点は男性と同じものの、「時々食べない」と「毎日食べない」との間には25-44歳の部分で逆転現象が起きている。また、45-49歳では「毎日食べる」と「時々食べない」が同一の結果も出ている。
女性の場合はダイエットの一環と称し、朝食を抜いている人も多いと聞く。”中途半端に朝食を抜いて不規則な食事をする”のなら、いっそのこと朝食を全部抜いた方が、中堅女性には体力的に多少ながらも良い結果となりうる。その可能性を、今回の結果は指し示している。
もちろん【時間が無い・習慣が無い 朝食を取らない理由】など朝食関連の多数の調査結果を見ても、そして今データの上でも、「朝食は毎日欠かさず採った方が良い」ことに違いは無いのだけれども。
スポンサードリンク