日常的な運動は10歳単位で体力差を生みだす…運動頻度と体力テストの平均点との関係
2010/10/13 12:05
文部科学省は2010年10月10日、平成21年度体力・運動能力調査の結果を発表した。それによると20歳以降は体力が漸減傾向を見せるものの、日常的な運動をしている人はそうでない人に比べ、体力の減少率が低いことが明らかになった。運動頻度と世代にもよるが5-20歳ほどの違い、つまり「運動をしている人の方がそうでない人と比べ、5-20歳ほど体力的に若い」ことが計測上のデータとして確認されている(【発表リリース】)。
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今データは「平成21年度体力・運動能力調査」のうち、具体的データを収録した総合窓口【e-Stat】から取得したデータを解析したもの。具体的には「7.運動・スポーツの実施状況別体格測定・テストの結果」から該当年齢区分のデータにおいて、体力テストの「合計点」における平均値部分を抽出していく。なお、得点基準は男女毎、6-11歳・12-19歳・20-64歳・65-79歳によって異なるため、今回は20-64歳の男女についてグラフ化している。
日頃の運動頻度について「ほとんど毎日(週3日以上)」「ときどき(週1-2日程度)」「ときたま」「しない」の四区分に分類した上で、それぞれの属性における体力テストの合計平均値の推移を集計、グラフ化したのが次の図。男女間で基準が異なるから男女の比較はできないが、男性・女性それぞれにおいても、「普段の運動頻度によって、経年による体力の減退を少なめに抑えられる」ことが明確に分かる。
↑ 年齢段階別の運動・スポーツの実施頻度と体力テスト合計平均点の相対的比較(男子)
↑ 年齢段階別の運動・スポーツの実施頻度と体力テスト合計平均点の相対的比較(女子)
例えば男性では「運動をしない」人の35-39歳の平均点は、「運動をほとんど毎日する」「ときどきする」人の50-54歳に相当する。逆にいえば「運動をほとんど毎日する」「ときどきする」人の体力平均値は、「運動をしない」人の35-39歳に相当するわけで、それだけ「体力的に若い」ことになる。同様の傾向は女性にも確認できる。その他グラフの基準点で多少の違いはあるが、日頃の運動頻度により、5-20歳前後の「(比較論で)体力的な若さ」を得ることが出来る結果が出ている。
「若さ」のバロメーターは体力だけに限ったことではないが、極めて重要な要素であることも事実。日頃の運動が安価で誰にでも出来る「アンチエイジング(老化防止)」なことは確かなようだ。
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