一人暮らしの日常生活、どこで何を買っているのか…単身世帯のコンビニ・デパート・ネット通販でのお金の使われ方内訳(最新)
2021/08/21 03:18
一人暮らしでは通常日常生活に必要なあれこれを本人自身が調達する必要があるため、買い物の場所には大きな興味関心を寄せることになる。どの店が自宅などの生活領域から距離的に近いか、品揃えが豊富か、コスト的に優れているか、自分の需要に合った供給がされているか。今回は生活をサポートする小売店としてコンビニエンスストア(コンビニ)、百貨店(デパート)、インターネット通販に注目し、単身世帯の買い物でどの程度活用されているかに関して、総務省統計局が2021年5月18日までに発表した【2019年全国家計構造調査】の公開値を基に確認していくことにする。
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今調査の調査要目は先行記事【食費の割合が減り、家賃負担が増加…一人暮らしをする若者のお金の使い道の実情(最新)】を参照のこと。
今回確認するのは単身世帯における消費支出全体や主要用品区分毎の全体支出額のうち、どれ程の金額の割合を、該当店舗で消費しているかについて。例えば、コンビニで食料区分、30歳未満男性は13.4%の値が出ているが、これは30歳未満の単身世帯の男性が、1か月に消費する食料関係費のうち13.4%をコンビニで購入している計算となる。
なお消費支出とは【エンゲル係数の推移(家計調査報告(家計収支編))(最新)】で解説の通り、税金や社会保険料をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」を指す。また、百貨店は【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】で説明の通り、事実上デパートと同じ。
まずはコンビニ。
↑ 購入先全体に占めるコンビニの割合(単身世帯、男女別・年齢階層別・品目別)(2019年)
「消費支出全体」の値が全般的に男性の方が大きく、単身世帯では女性より男性の方がコンビニへの傾注度が高いことが分かる。また大きめの値を示しているのが食料と諸雑費。食料は内容が容易に理解できるが(女性は30歳未満のみ突出しているのに、男性は30-59歳までその傾向があり、単身男性の食生活がコンビニにかなり依存しているようすが見て取れる)、分かりにくいのが諸雑費。区分を解説する【支出分類】によれば諸雑費とは、
・理美容品(化粧品など含む)
・身の回り品(かばん、装飾品など)
・たばこ
・冠婚葬祭の各経費
・医療保険料、各種介護関係費
などが該当する。男性の該当比率が極めて高いところをみると、諸雑費の多くはたばこによるものと考えられる。
続いて百貨店。これは前述したように、内容的にはデパートと変わりない。
↑ 購入先全体に占める百貨店の割合(単身世帯、男女別・年齢階層別・品目別)(2019年)
全体的には女性の方が男性よりも高めの値が出ている。女性は男性と比べ、生活におけるデパートへの傾注度が高いことになる。また男女とも、特に女性は被服および履物の出費率が高い。毎月のデパート売上レポートでは被服関係の売上減少が問題視されているが、それでも単身世帯では今だに頼りにされているのが分かる。また、女性は食料、諸雑費の割合が高いが、前者はデパ地下でのまとめ買い、後者は化粧品や装飾品の購入が該当すると見てよい。
最後にインターネット通販。
↑ 購入先全体に占めるインターネット通販の割合(単身世帯、男女別・年齢階層別・品目別)(2019年)
被服および履物、教育娯楽、そして一部属性で家具・家事用品に高めの値が出ているのが分かる。単身世帯のライフスタイルにおいて、これらのジャンルで、インターネット通販が愛用されている実態が確認できる。
今回は当サイトでよく取り上げるコンビニ、百貨店(=デパート)、インターネット通販の3つの流通ルートにおいて、あまり注目されることのない、あるいは調査ではスポットライトを当てられることが少ない、単身世帯の消費性向についてチェックを入れてみた。今後単身世帯が増加することを考えれば、今回のデータは色々な点で役立つに違いない。特に若年層、そして高齢層の一人暮らしの生活スタイルを推し量るには、非常に有益なデータだろう。
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