ひと目でどの分野の専門家かが分かる名刺
2010/10/05 07:14
これまで【変形して仕事をPRする名刺】や【気軽にヨガのポーズも疑似体験できる、ヨガ教室の名刺】など、名刺を渡す側の職業がすぐに分かるタイプの名刺を数多く紹介してきた。長方形で味気ない通常の名刺よりもはるかにインパクトがあり、受け手側にも驚きと感心、そして好印象を与える素晴らしいものばかり。今回紹介する事例も見た瞬間に「なるほど」と感心し、そして「あの関連の職種か」と理解できる名刺である(I Believe in Advertising)。
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↑ 片面は上昇機運のチャートで「BUY(買い)」。裏返すと……
これはカナダに拠点を置く、主に富裕層の個人や企業レベルでの保険、投資関連の助言や総合的サポートを取り行う財務助言会社【The Caligiuri Financial Group】の名刺。取扱いをする主な商品は株式をはじめとする各種金融商品なので、当然その値動きが気になる職種でもある。そこでその「気になる対象」の株価などの動向を示すチャートをそのまま名刺にした次第。ギザギサに形取られた造型は、それだけで財務・金融関連の専門家であることを想像させる。
この名刺のセンスの良さは、両面でまったく逆の、そして関連性のある意味合いを持たせているところにある。写真上部は片面から見た場合で、色は黒、右肩上がりのチャートを形成し、左には「BUY(買い)」とある。業績堅調なり好材料で株価がこのような上昇機運にある時には、素直に買いだよね、という意味合いを持つ。
ところがこの名刺をひっくり返して裏面を見ると、色は赤に変わる。マイナス、値下がりなどでよく使われる色だ(株関係の専用ツールでも大抵は「赤」=「マイナス」となる)。そしてチャートの形は先の「右肩上がり」を逆の面から見たのだから、当然「右肩下がり」になる。つまり業績悪化なり悪材料なりで、株価が下がる状況を示している。そして左には「SELL(売り)」とある。手元に持っていても資産価値が下がるばかりなので、さっさと売りましょうということだ。
このように市場動向に素直に乗り、売買を行うことを「順張り」と呼ぶ。リスクが比較的少ない、堅実な投資法の一つとして知られているが、今件名刺はまさにその投資方針を示している。多くの人はこの名刺を見て、渡した人物への投資・金融関係の信頼を確かなものとするに違いない。
チャートの形を名刺にするだけなら、さほどアイディアとしては独創的なものではない。そこに「裏返すと逆の形になる」「投資の基本は買いと売り」を上手く結び付け、自分の職種・戦略を盛り込むあたりは巧みであると評せざるにはいられない。
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