遊んでいるうちに別の商品の良さが分かってくるゲーム

2010/10/03 12:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
アイスホッケー堪能中温泉旅館やちょっとした大型のゲームセンターには、必ずと言ってよいほど設置してあるエアホッケー。シンプルな中にも高度な戦略、駆け引きが求められ、スピード感によるスリリングな展開が楽しめることもあり、つい夢中になってしまう定番のテーブルゲームだ。そのエアホッケーで遊んでいるうちに、まったく関係が無さそうな商品の良さが刷り込まれてしまうのが今回紹介するプロモーション。果たしていかなる仕組みとなっているのか……(I Believe in Advertising)。



スポンサードリンク



↑ Rejoiceなエアホッケー台
↑ Rejoiceなエアホッケー台

これはP&GブラントのシャンプーRejoiceを宣伝するために、フィリピンで2009年に展開されたもの。シャンプーに求める効用の一つとしては、「髪の毛がばさばさではなくしっとりとツルツルに」がある。いかに「Rejoice」がそのツルツルさを生み出すかをアピールするため、エアホッケー台を上の画像のように改造。そしてショッピングモールや、美容院、大学の寮などに設置し、皆に遊んでもらうようにした。

周囲の人もついつい……着色さえ除けばごく普通のホッケー台。しかしパック(プラスチックの円盤)を打ちあう盤部分が女性の髪の毛として描かれている。そして全体を覆うのは「Rejoice」のイメージカラーである緑。もちろん「Rejoice」自身のロゴもちゃんと側面に描かれている(ちなみにパックそのものもロゴ入り)。この上でエアホッケーをするたびに、パックがスムーズに行き交う様子を見て、プレイヤー自身も周囲で試合を観戦する人も「Rejoiceで洗った髪の毛って、こんなにツルツルなんだな」と刷り込みをされてしまうわけだ。

今記事のように冷静に分析して説明すると「何をバカなことを」と鼻で笑う人もいるかもしれない。しかし、実際に目の前で繰り返し見せつけられると、何となく「そんなものかな」と思ってしまう。これぞ刷り込みの威力といえる。実際、この「ツルツル髪の毛ホッケー台」を設置してから、ブランド意識調査における「Rejoice」の立ち位置は急上昇し、商品も大いに売れ行きを伸ばしたという。

少々ダイレクト過ぎ・アクが強いので、日本では同じような効果は望めないかもしれない。しかし発想法については大いに学ぶべきところがあるに違いない。



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2025 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS