【更新】注目は「株式」から「投資信託」「金」へ、7割は「自分で考え決めました」
2010/09/26 07:21
田中貴金属は2010年9月22日、投資に関する意識調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、一番最近に投資した金融商品としては「株式」がトップにつき「投資信託」がそれに続いていた。しかし昨年と比べると「株式」が減り「投資信託」の割合が増えており、また「金」投資も割合を増している。投資を検討している層においては、安全志向が強まっている雰囲気が感じられる([発表リリース])。
スポンサードリンク
今調査は2010年6月4日から30日にかけて、全国で20-69歳の一般男女500人に対し訪問面接形式で行われたもので、有効回答数は500人。男女比は1対1、年齢階層比は非公開。
昨今の株価低迷のあおりも受けてか、調査母体では投資意識に対し「マネーゲームになるような投資はしたくない」「投資は長期のスタンスで行うべきだ」とする意見が多数を占めている。そこで実際に、一番最近投資した(預貯金以外の)金融商品について聞いたところ、具体的項目では「株式」が14%のトップ、「投資信託」が11%、「国債」が5%の順となった。
↑ 一番最近投資した金融商品は(預貯金以外)
一時期ブームとなった「外貨預金」は5%から3%に減り、「株式」もトップを維持しているものの3ポイントの低下。一方で「投資信託」は3ポイント、「金投資」は2ポイントの増加を見せている。同じ金融商品を手掛けるにしても、急激な値動きが少なく、リスクが低いように見える商品へ関心が移る様が見て取れる。
もっとも「該当なし」が相変わらず2/3ほどを占めており、「預貯金」を利用している人が一番多いであろうこともまた容易に想像できる。【預貯金神話健在・「資産形成に重要な方法は預貯金」は45.8%】などにもあるように「預貯金神話」は健在のようだ。
預貯金以外の金融資産を購入する際にはどのような意識が働いたのか。自分で決定したか、あるいは他の人に意見を聞いたり決めたのか。結論としては「自分で決めた」人が7割以上を占めた。それだけ購入に明確な意識を持っているわけだ。
↑ 一番最近投資した金融商品(預貯金以外)を選択する際、相談した人は誰か(自分自身の関与具合)
逆に28%の人に対しては、自分のお金を使って高額な金融商品を購入するのだから「他人に任せてどうするの?」という感もある。参考意見として聞くのはともかく、「全く自分は関与しなかった」の15%は少々問題。あるいは単に利回りだけで決めてもらったり(「一番高利回りなモノ」)、相手が勧めてきたから(「これが良いと言われたので」)選択したのだろうか。
「預貯金利用者が多数」「金融商品は安定・安全性向」「自分の意志で決定した人が7割強」などの結果を見ると、市場のカオス化を受けて安全策を取る人が高比率で維持され、リスクのある金融商品を選ぶ人も出来るだけ低リスクのものを手掛ける傾向が見て取れる。また、選ぶ人はその多くが、自分で判断した上で購入を決定している。
逆にいえば、自分で判断が出来る力(決断力、情報収集と分析能力)を持ち合わせていないと、特に現状では金融商品への投資はしにくいのかもしれない。
スポンサードリンク