禁煙に何度も失敗、約7割・原因は……?
2010/09/27 07:28
ファイザー製薬は2010年9月16日、たばこの増税・値上げを前にした喫煙者の実態に関する調査結果を発表した。それによると調査母体(喫煙者)においては、これまでに禁煙に挑戦したことがある人は6割強に達し、そのうち複数回の経験者が7割近くに登っていることが分かった。それだけ多くの人が禁煙に失敗したことになる。また禁煙失敗の理由としては、「イライラに耐えられない」「本気ではなかった」「ストレスを解消したかった」などの自己分析が上位についている(【発表リリース】)。
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今調査は2010年8月13日から9月9日にかけて全国都道府県別200人ずつ、計9400人の「喫煙者」に対しインターネット経由で行われたもの。男女比は1対1、年齢階層比は非公開。
【たばこ税増税で「禁煙・節煙しよう」と考えている人は55.7%】などにもあるように、2009年末に閣議決定された税制改正大綱により、2010年10月1日からタバコ1本につき税金の3.5円引き上げが決定された。これら合わせてたばこ価格も大幅な値上げが行われることになった。この引き上げ額は、タバコ税の増税額として過去最大のもので、当然喫煙者にも大きな影響を与えている。
今回の値上げで禁煙に挑戦する人は53.3%に達している。一方「現在喫煙者」の調査母体において、これまでに禁煙に挑戦した人(=結局禁煙は途中で挫折した人)はどれくらいいるだろうか。結果としては実に64.0%もの人が禁煙経験あり、と回答した。
↑ 今までに禁煙に挑戦したことはあるか
具体的には何度禁煙に挑戦したのか。多くの人の想像の通り、複数回数禁煙に挑戦し、そして失敗した人が7割近くに達している。年齢にもよるのだろうが、5回以上との回答者も18.5%に達している。
↑ 何度禁煙に挑戦したか(経験体験者対象)
「4回」の回答者が非常に少なくなっていることから、「5回以上」は「5回以上は確実。もう覚えてないくらいたくさん」というのが本音と考えて間違いあるまい。
禁煙を繰り返す、少なくとも調査母体は「喫煙者」なので、禁煙経験者は1度は禁煙を失敗しているわけだが、その理由は多種多様。複数回答で自己分析をしてもらったところ、最も多いのは「ストレスに耐えられない」。これが4割を超えている。
↑ 禁煙に失敗した理由・自己分析(今までに禁煙に挑戦したことがある人対象、複数回答)
「周囲に喫煙者が多い」「飲み会などでつい」「周囲のサポートが無い」などは外部的要因なので本人ではどうしようも無い部分がある。しかしトップの「禁煙中のイライラに耐えられなかった」をはじめ、「本気で止めようと思っていなかった」「ストレスを解消したかった」などは「本人自身との戦い」に負けたと評して良い。
【禁煙治療を受けられる医療機関をネットで公開】などにもあるように、2007年4月以降は禁煙治療が公的医療保険の対象となっている(例として【カネボウの関連詳細資料(PDF)】)。一人で自分自身との戦いに打ち勝つのは難しくても、お医者さんと一緒なら可能かもしれない。自分の意志の弱さで禁煙を断念し続けている人は、専門医に相談してみてはいかがだろうか。
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