優しい気持ちで「レゴでどんなシーンでも作れるよ」が理解できる作品
2010/09/24 05:21
【歴史的瞬間をとらえた写真をレゴ化する達人】や【「ここまでやるか!?」としか言葉の出ないレゴ作りの品々たち】などにもあるように、欧米の人たちは、積み木ライクなブロックのレゴ(LEGO)が大好き。どんな情景もレゴで作り上げようとする気概を持っている人が少なからずいる。見た目までウリ二つのものもあれば、「動き」「情景」「躍動感」を優先して再現し、観客に想像力をかきたてさせるものも多い。子供の時から身近な存在なだけに、レゴ作ともなれば皆が皆、親近感を覚えるのだろう。今回紹介するのもレゴによる芸術作品的な動画で、「レゴならどんなシーンでも作れるヨ」というメッセージを伝えようとするものだ(【Creative Criminals】)。
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↑ Build Anything (Lego) 。
これは現在イギリス・ロンドンに拠点を置く、イラストレーター兼動画(映画)製作者のTemujin Doran氏らで構成される【Studiocanoe】による作品。仕事として絵を描いたり映画を作る傍ら、時間を見つけては35ミリの映画撮影をする趣味も持っている。
さてそのTemujin Doran氏が今回作成したのは、「レゴはどんな世界のどんな場面でも作れるよ(build enything)」というメッセージを提示する、メッセージフィルム的な作品。以前【「え、何コレ!?」世界の名所を言葉通り「手にした」旅人】で紹介した、「オモチャなどを使って遠近法を巧みに使い、名所を手のひらに乗せた」のと同じ方法を用いている。多種多様な日常生活のワンシーンを取り出し、その場面に自分で作ったレゴ作品を遠近法で上手く重ね合わせ、「ごく普通の」「レゴが溶け込んだ」瞬間を創り上げている。
↑ 道端に立ち並ぶポスト。その横にもう一つ、レゴ製のポストを。
↑ 雨の中、女性の傘もこの通り。
↑ 建築現場で働くクレーンも。
↑ もっと身近に。朝食の卵焼きだってこの通り。
これが単なる「リアルで精密な作りのレゴを重ねた」のなら、さほど面白みは無い。先の「旅人」同様、本物そっくりな他のおもちゃで代用がきく。あくまでもレゴで、レゴらしさを残しつつ日常生活のワンシーンを切りぬき、貼りつけることで、動画作品にユニークさ・微笑ましさを加味しているわけだ。「卵焼きにうり二つってわけではないけれど、自分が子供の時に立ち返ったら、きっとレゴで卵をこんな風に作るよね」Temujin Doran氏のそんな声すら聞こえてくる。
レゴそのものは直線で形作られたおもちゃなのだが、何となく柔らかな温かみさえ覚えさせてくれるような、不思議な作品といえよう。
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