外国人労働者に求めること…「日本語能力」「習慣・文化への理解」は8-9割
2010/09/20 06:48
内閣府は2010年9月13日、労働者の国際移動に関する世論調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、外国人労働者に対して日本語能力を求めている人は94.2%に達していることが分かった。他に「日本の習慣に対する理解」「日本の文化に対する理解」で9割近い人が重要だと考えている。(【発表リリース】)。
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今調査は2010年7月15日から25日にかけて、全国20歳以上の人の中から層化2段階無作為抽出法によって選ばれた3000人に対して行われたもので、調査方法は調査員による個別面接聴取方式。有効回答数は1913人、男女比は880対1033。
昨今では日本国内の就業環境の悪化、雇用する側・される側のパワーバランスと共に、海外からの就労者、そして国を隔てた労働力の移動にも関心が集まりつつある。そこで外国人労働者に対してどのようなことを求めているかについて、「重要」「どちらかといえば重要」「分からない」「どちらかといえば重要でない」「重要ではない」の5択から選んでもらい、そのうち「重要」「どちらかといえば重要」を合わせた「重要認識派」の値を計算したのが次のグラフ。
↑ 外国人労働者に求めること(重要+どちらかといえば重要)
「日本語能力」がトップについているが、逆に考えればこれは日常において、日本語能力に欠けた外国人労働者とのやり取りで、苦労した経験がある人が多いことをも意味する。「日本語をしっかりと学んでほしいナ」という思いが込められた結果、これほどまでの高い値となったのだろう。
第三位まで、8割以上の回答率を見せる選択肢はいずれも「日常生活上必要不可欠な情報・知識」。「実生活でもまれるうちに慣れてくればイイや」と考えている人たちもいるだろうし、実際その手法も早期に知識や技術を学びとる方法の一つではある。しかし一方で、(言葉はともかく)頑なに自国の習慣・文化ばかりを誇示し、「郷に入りても郷に従わず」的な姿勢を見せる人たちもいることは否定できない。だからこそ「日本語能力」同様に、多くの人が「重要だ」と認識し、強く求めている結果となっていると考えられる。
ちなみに「日常生活上必要不可欠な情報・知識」の項目は、どちらかといえば高齢者ほど強く求める傾向がある。
↑ 外国人労働者に求めること(「日本語能力」、年齢階層別、「重要」回答)
経年と共に「しつけ」への目が厳しくなること、外国人労働者との接触にあまり慣れていないことなどが理由だと考えれば、納得もいくというものだ。
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