本も音楽もネット通販へ・ファッションは店頭も引き続き活用中
2010/09/20 12:00
ORIMOは2010年9月17日、パソコン・携帯電話を使った買物に関する調査結果を発表した。それによると「携帯電話経由による」調査母体においては、ネット通販(インターネットを経由した通信販売)によって購入されたものの上位項目は「本、雑誌」「ファッション(服、アクセサリなど)」「音楽、CD、DVD」の順だった。特に「本、雑誌」は過半数の人が購入経験ありと答えている。一方、ネット通販によって店頭で買わなくなったものを挙げてもらったところ、「本、雑誌」「音楽、CD、DVD」が上位を占める一方で、「ファッション」はごく少数に留まっている。服やアクセサリの類は「似合う・似合わない」「自分のサイズに合う・合わない」など実物を見て初めて分かることも多く、ネット通販だけではカバーしきれないところがあるようだ。
スポンサードリンク
今調査は2010年9月1日から10日にかけて携帯電話によるインターネット経由で20-50代の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比・年齢階層比は非公開。
パソコン・携帯電話を問わず、ネット通販は多くの人に活用され、今もなお普及率を高め続けている。先日アマゾンジャパンが始めた「定期おトク便」のサービス(【アマゾン、定期的に指定商品を自動配送する「Amazon定期おトク便」サービス開始】)は、ネット通販が生活に密着し始めている良い証拠といえる。
それではそれらネット通販でよく買われてるものは何だろうか。パソコン・携帯電話それぞれのネット通販利用者に聞いた結果がこちら。奇しくも項目・順位共に同じ結果となっている。
↑ パソコン・携帯電話で購入したもの(上位3ジャンル)
やはり「本」「音楽関係」の購入者が非常に多い。これは【ネット通販で買うものトップは本、次いで食品。ではその理由は……?】など他の調査機関による結果でも同様の傾向を示しており、「すぐに欲しいもの」「量産化され個別差が無いもの」「単価が比較的安価なもの」「趣味趣向に深い関係があるもの」などの共通項を有している。だからこそ、【書店の売上高・経常利益率(2010年9月更新版)】の数字にもあるように、実店舗の本屋が苦境に立たされているわけなのだが……
●店頭で買わなくなったもの、引き続き買っているもの
……というのが良く分かるのが次のグラフ。これはパソコンや携帯電話のネット通販を利用することで、店頭で買わなくなったものを挙げてもらった結果。「ネット通販で買ったもの」上位三位のうち2項目、「本、雑誌」「音楽、CD、DVD」がそのまま上位二位を占めている。これは「本、雑誌」「音楽、CD、DVD」をそれなりの頻度で購入する人において、「店頭購入」→「ネット通販購入」に購入スタイルを変えた人が相当数存在することを意味する。
↑ パソコンや携帯電話を利用することで「店頭で買わなくなったもの」(複数回答)
リリース内でも指摘されているが、「本、雑誌」「音楽、CD、DVD」はデジタルコンテンツ化が進んでいるのも、店頭で買われなくなった要因として十分な理由。
一方、冒頭でも触れているが「ファッション(服、アクセサリなど)」の類はネット通販で良く買われているにも関わらず、店頭購入を止めた人はさほど多くは無い。これはこのジャンルでは「直に触れて見ないと分からない事柄」が多いのが、店頭買いが減らない理由。ネット上で見た写真は良さげだったのに、実際に買ってみたら色合いが微妙に想像したのと違っていて気に入らない。靴のサイズは合っているが、どうもかかとの部分が窮屈でならない。これらのような事例はいくらでも想定できる。ネット通販を利用するが、店頭購入も引き続き使いこなすといったところか。
最後にもう一点。「店頭で買わなくなったものが特に無い」とする意見が半数近くに登っているが、これは設問を見る限り「まったく、あるいはほとんど買わなくなった」と解釈して回答しているものと思われる。店頭での購入頻度がこれまでのままで、ネット通販も積極的に使い倒すとなると、それだけ個人ベースでの合計の購入金額は増えるわけだが、そのような状況は考えにくい(確かに気軽に購入可能なネット通販に慣れると、店頭購入の時よりも購入ハードルは低くなる。しかし可処分所得にプラスの変化があるわけではないので、基本的に「ネット通販で余計に買われた分」だけ、店頭購入分がマイナスの影響を受けることになる)。
「購入頻度が減少した」と設問を変えれば、「特に無い」とする回答者はもっと減るに違いない。
スポンサードリンク