「地面に貼り付くような安定感」がひと目で分かる、ちょっと得する広告
2010/09/22 07:11


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↑ Audi quattro magnet cars。
これは2010年9月にカナダのトロントで9月4日から13日の間に開催されたインターナショナルフィルムフェスティバル(トロント国際映画祭)で展開されたプロモーション。同祭ではトロント市内の映画館で世界中から集められた多数の映画が放映され、現代映画の祭典として(カンヌやベルリンと比べればまだまだ知名度は低いものの)注目が集まる場となる。美術・芸術に長けた、あるいは深い興味を持つ人も大勢足を運ぶため、センスある(と自負する)広告をアピールするにはとっておきの場所。
今件は「アウディ・クワトロ」のミニカーの裏面に台座を固定した上で、強力磁石を貼りつけ、ミニカーそのものが鉄製の場所に貼りつけられるような仕組みを施す。そしてあるメッセージを添えたシールも裏面にペタリ。そして完成した「磁石とシール付きクワトロミニカー」を、映画祭の会場となるエリアのいたるところに貼りつける。

初めのうちは多くの人たちはミニカーたちを遠巻きに眺めるだけだったが、一人がそのミニカーを手にし、裏面のメッセージを読んで「なるほど」と意図を理解。あとは集団心理で、皆が皆ミニカーを手にし、ミニカーが配された意味を知り、合点が行くこととなる。

↑ シールのメッセージは「Nothing sticks like quattro.」
ミニカーの背面にシールで添えられたメッセージとは「Nothing sticks like quattro.」どんな悪路でもクワトロならへっちゃら、滑りもせずに走り抜けますよという意味だ。そのメッセージを目にし、手元にあるクワトロのミニカーがどこかしこにも貼りつけてある意味を理解することになる。また、クワトロを実際に運転した人の話によれば、運転感覚はまるで「地面に貼り付いているかのような安定感」をしているとのこと。この「貼り付き感」をアピールする意味でも、磁石は強力な手法となる。
費用対効果でどこまでプラスを得られたかは不明だが、少なくとも「芸術的センスを持つ、高感度のセンサーを持つ人たちが集まる映画祭」で展開されたことにより、そのセンスの良さは強力にアピールできることは間違いない。そしてアウディ自身の性能とプロモーションのセンスの良さは、それぞれが持ち帰ったミニカーと共に、口コミによって多くの人に伝えられていくだろう。
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