将来の金銭面での不安を覚える中堅層、でも親の資産はあてに…?

2010/09/19 12:13

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支払いをする老夫婦東京スター銀行は2010年9月15日、親世代の資産に関する意識調査の結果を発表した。それによると不動産資産を保有する60代を親に持つ30-40代において、将来の金銭面での不安を覚える人は9割を超えていることが分かった。しかし親の資産の相続などを当てにしている人は1/4程度しか無い。一方、資産を持つ親本人は、子供のために資産を使いたいと答えた人は1割強でしか無く、子の期待を答えるには程遠い結果となっている(【発表リリース、PDF】)。



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今調査は2010年8月27日から28日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は子世代(30-49歳、かつ親が60代でマンションか一戸建てを保有)500人、親世代(60代、子供が30-49歳、かつ自分か配偶者名義で一戸建てかマンションを保有)。男女比は非公開。

先に【高齢者の7割強は「子の世話無しでいいから、財産は自分で使い切る」】で解説したように、調査母体においては7割の親世代は「子に資産を譲渡するつもりは無い」と答えている。

↑ 親世代・子世代における、親世代の財産に関する考え方
↑ 親世代・子世代における、親世代の財産に関する考え方(再録)

それでは、今調査母体の子世代は自分の将来に対する金銭面での不安はないのだろうか。全体では9割以上が「不安を感じる」と回答している。

↑ (子世代)将来に対する金銭面での不安を感じるか
↑ (子世代)将来に対する金銭面での不安を感じるか

似たような設問は以前別調査機関が行っているが(【将来の貯蓄や資産、心配な人は79.0%】)、10ポイント程異なるものの圧倒的多数であることに違いは無い。

しかし先の記事にあるように、不動産資産を所有する親からの遺産相続には、さほど期待をしていない。親の考え方を直接聞いているか、あるいは実行動で肌身に感じているのだろう。

↑ (子世代)親の財産や資産をあてにしているか
↑ (子世代)親の財産や資産をあてにしているか

それでも27.6%は親からの遺産相続を望んでいる、あてにしていることが分かる。

親自身はというと、「自分(達夫婦)で財産を使い切りたい」とする人が圧倒的多数。「子供のために」はわずか13.0%でしかない。

↑ (親世代)現在の蓄財・資産を誰のために使いたいか
↑ (親世代)現在の蓄財・資産を誰のために使いたいか

親世代に期待する子世代は27.6%。しかし子世代の期待に応えようとする親世代は13.0%。差は14.6ポイント。1割強のギャップが生じてしまっている。

親子の語らいもっとも親世代側の回答はあくまでも「もっとも」「最上位選択肢」であり、実際にはすべての資産を一元に対象者に対して、というわけではない。「自分達で存分に使いたいが、少しは子供や孫にも残したい」「半分くらいを子供に譲りたい」という考え方もあるだろう。それらの場合を考慮すると、先の記事における「親世代の資産に対する『使い切る・世話など要らぬ』『子供に譲渡したい・世話をお願い』の選択での、親・子世代間のギャップ8.8%」に近しいものとなる。

この「親子世代間に生じている財産をめぐる1割のギャップ」でケンカが起きないよう、調査母体の条件に合う親子はもちろん、そうでない場合も、常日頃からじっくりと話し合いの場を設けて語りあってほしいものである。親子の人生観、お金など込み入った話をしていくうちに、きずなも深まっていくに違いない。



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