「見るだけタイムマシン」が疑似体験できる「YouTubeタイムマシン」
2010/09/18 07:08
インターネット回線速度の高速化やサーバー性能の指数的な向上、さらにはパソコンや携帯電話など個人ベースでのデジタル機器の加速度的な普及と動画の撮影・再生環境の整備により、数年前には想像もつかなかったほどYouTubeをはじめとする動画共有サイトは有益で、大きな情報量を持つソーシャルメディアへと発展した。【YouTube、CD購入へ大きな影響あり・公式サイトやアーティストブログ並】でも説明したが、特にYouTubeは既存の他媒体にも好影響を及ぼしつつ、さらにその要素・情報は多種多様な方面へ活用されはじめている。今回紹介する【YouTubeタイムマシン(YTTM…YouTube Time Machine)】もYouTubeのコンテンツを活用して生まれたサービスの一つで、発想の転換、あるいはコロンブスの卵的なものである。
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↑ 「YouTubeタイムマシン」
YouTube上には個人の撮影した動画はもちろん、歴史的な価値のあるニュース映像・映画のトレーラー(紹介用のダイジェスト動画)、ゲームやスポーツをはじめとする各種エンタテインメント、音楽、そしてコマーシャルなど多種多様な種類の動画が登録され公開されている。先日【YouTube、途中カット無しの完全版映】でもお伝えしたように、最近ではノーカット・フルサイズの映画まで収録され視聴が可能になるほど。それらの動画をカテゴリ別・内容の年代別に登録し、テレビ式のタイムマシンに見立てたのがこのサービス。ドラえもんの道具なら「タイムテレビ」といったところか。
具体的には画面上部のスライドバー(1860年-2010年、1年単位)で年代を指定すると、その年代に合致した動画が収録データの中から選択され、表示される。複数該当する場合はランダムに選ばれてそのうち1つが表示、右側の「Watch Next Video」をクリックすることで、他の候補がランダムに映し出されることになる。
右側の選択肢は動画のジャンル。「ビデオゲーム」「テレビ」「コマーシャル」「イベント」「スポーツ」「映画」「音楽」が用意してあり、スイッチをオンにしたジャンルのみが抽出される。例えば1860年に「テレビ」のみの項目をオンにしても、その時代にテレビなどあるはずもなく、「ごめんなさい」メッセージが出る。
また、YouTubeとの動画の「ヒモ付け」はソーシャルメディア的に利用者が追加していくこともできる。例えば「1941年の『イベント』では真珠湾攻撃があったけど、その動画が登録されていないな。そういえば関連ニュース報道が登録されていたような」という感じでマッチする未収録の動画を見つけたら、画面下の「ADD A VIDEO」ボタンを押して各データを入力することで、「YouTubeタイムマシン」を補完することができる(管理者側で確認した後に収録されるようだ)。
↑ 試しに本文通りに収録してみたが……登録されるかどうかは管理側の采配次第
年代毎の動画があくまでもランダムでしか表示されないことなど、インターフェイス上改善した方が良い点も複数見受けられるが、コンセプトとしては非常に面白く、またシンプルで分かりやすいものとして評価できる。利用者にコンテンツを充実してもらうという、ソーシャルメディア、あるいはCGM(Consumer Generated Media、利用者が内容を創って行くメディアのこと)的なものとしても理にかなっている。
データの充実を願うと共に、日本でも似たような、そしてもっと分かりやすいサービスの提供を望みたいところだ。
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