【更新】冷蔵庫の省エネ3大ポイント
2010/09/13 19:30
先に【冷蔵庫 買い替えをしない その理由 「故障しないしもったいないから」】で[東京電力(9501)]の[発表リリース]を元に、冷蔵庫の消費実態・意識調査結果をまとめたわけだが、そのリリースにはアンケート調査結果以外にも「冷蔵庫に関する省エネのコツ」が掲載されていた。こちらは買い替え云々ではなく、現在利用している冷蔵庫への対応策としてまとめられているもので、むしろこちらの方が即効性の高い情報ともいえる。今回はこれをシンプルにまとめ直してみることにする。
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「冷蔵庫の省エネ」のポイントとして挙げられているのは大きく分けると、
・冷蔵庫本体と壁のすき間を十分に開ける
・温度の低い所に設置する
の3点となる。それぞれグラフを元に解説すると次の通り。
まずは「扉の開閉時間と回数」。当然開閉回数が多く、開けている時間が長くなると、冷気が外に逃げる時間が増え、それだけ電力が無駄遣いされる(冷やすために大きな電力が必要になる)。実験では基準パターンの2倍の時間・回数を開けると、約14%の電力量のロスになる。
↑ 冷蔵庫の扉開閉による1日あたりの消費電力量比較
↑ 冷蔵庫の開閉パターンにおけるJIS規格
よって、「事前に何を取りだすのか考えたり、日頃から冷蔵庫の中を整理整頓するなど、冷蔵庫の扉の開閉時間や回数をなるべく少なくすることが大切」となる。寝ぼけまなこで冷蔵庫を開けて、そのまま中をじっと見て「何を作ろうかな-」と考える行為は言語道断というわけだ。
続いて「冷蔵庫本体と壁のすき間を十分に開ける」。これはスペースが小さいと大気中の放熱スペースが少なくなり、熱が逃げにくくなる。その分余計な電力を消費するという次第。
↑ 冷蔵庫の壁とすき間を変化させた場合の消費電力量の変化(1日あたりの消費電力量(kWh/日)
↑ すき間の開け方
少ない方には断熱材、多い方にはベニヤ板を使うあたり、完全な比較ではないようにも思えるが、要は「放熱スペースが多いか最小限レベルの少なさか」ということ。スペースが少ないと熱がこもってしまい、これが電力浪費の元となる(冷蔵庫は冷やすための機械であることをお忘れなく)。
三つ目は「温度の低い所に設置する」。二つ目の「放熱」絡みと理屈は同じで、周囲温度が高いとそれだけ消費電力が多くなる。グラフでは夏の温度帯では消費電力が増え、冬の温度帯では減少することが分かる。
↑ 室温を変化させた場合の冷蔵庫の消費電力変化(W)
冷蔵庫本体の周囲温度が上がると、そのだけ消費電力は大きくなる。日差しの当たる場所、熱がこもりやすい場所に設置すると、同じ世帯内にも関わらず消費電力に随分と違いが生じることも。風通しの場所に配したり、日差しをカーテンなどでさえぎる工夫が求められる。
最後に。資料では一番最初に説明されているアンケート結果だが、これら3つのポイントをそのまま、あるいは応用した事例などを選択肢としてそろえ、「自宅で気を付けている冷蔵庫の使い方」として、実行しているか否かを尋ねている。
↑ 冷蔵庫の使い方で、自宅で特に気を付けていることは
上記3項目を踏まえてこのグラフを読みなおすと、特に冷蔵庫の設置場所に関する配慮が不足気味のように見える。
冷蔵庫そのものは台所、あるいはそこに隣接する場所に置かねばならない場合が多く、一朝一夕に移動を行うのは難しい。また、家のデザインの都合上、冷蔵庫本体の周辺に十分なスペースをとるのが難しい場合もある。注意項目すべてをすぐに実行するのは無理、という人も多いだろう。
しかし例えば冷蔵庫の中身の整理整頓、無駄な開閉を止めるなどは、今日、今すぐにでも始められるはず。ちょっとした工夫が節電につながり、そして大抵は冷蔵庫の効き具合も良くなるのだから、やってみて損をするはずはない。
なおリリース中でも言及されているが、各観測値は設定された条件下におけるもので、各種条件や設定、冷蔵庫の種類などにより大きく変わることを、ここに改めて記しておく。あくまでも原則の裏付けとしての、一計測値と見て欲しい。
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