【更新】冷蔵庫 買い替えをしない その理由 「故障しないしもったいないから」
2010/09/13 12:00
[東京電力(9501)]は2010年7月29日、冷蔵庫の使用実態と意識に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち「現在使用している冷蔵庫が10年以上経過している人」における買い替えをしない理由として、もっとも多くの人が挙げたのは「故障しないから」だった。8割以上の人が同意を示している。次いで「もったいない」「特に不便は無い」など、買い替えに対する積極的な理由が無いことが主な理由として挙げられている([発表リリース])。
スポンサードリンク
今調査は2010年7月13日から14日にかけて20-60代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2472人。男女比・年齢階層比は非公開、未婚・既婚比は412対2060。
エアコンやテレビ、洗濯機などと並び、一度購入するとなかなか買い替えのタイミングがやってこない家電の一つに「冷蔵庫」がある。それこそ毎週のように新商品が登場するが、自宅の冷蔵庫は年単位で不動のポジションを占めたまま。調査母体2472人中、冷蔵庫を買い替えて3年未満の人は24.5%でしかなかった。3年以内に初めて冷蔵庫を買った人5.2%も考慮すると、約7割が「3年以上今の冷蔵庫を使い続けている」という計算になる。
それではまず、3年未満に買い替えた人のうち、買い替え前よりも買い替え後の方が大きい容量だった人420人・69.4%に対し、なぜ大きい冷蔵庫を選んだのか、その理由を聞いた結果が次のグラフ。以前使っていた冷蔵庫の小ささに不満を持っていた人が多いことが分かる。
↑ 買い替え前より大きい容量の冷蔵庫を選んだ理由(冷蔵庫を購入して3年未満・買い替え後の方が容量が大きかった人限定、上位7位まで)
また、単純に大容量の必要性に迫られて買い替えをした人もいる一方で、「容量が大きくても省エネが出来るからイイね」と、大容量と省エネを両立した上で判断をした人もいる。どの道買い替えるのなら、これまでより沢山食品を詰められた方が良い、ランニングコストが削減できるのならなおさらという判断だろう。
一方で、10年以上冷蔵庫を買い替えずに使っている人もいる。こちらは調査母体のうち20.1%・497人に達している。それらの人に買い替えをしない理由を聞いたところ、もっとも多かった回答は「故障しないから」だった。故障して動かなくなるまでは使い続ける、という利用スタイルなわけだ。
↑ 現在の冷蔵庫を10年以上使用している・買い替えていない理由
上位四位をだいだい色で着色したが、これは「買い替えに対する積極的な理由が無い」群でもある。最近では冷蔵庫も安くなり、5万円以下でかなり性能のよい、容量もそれなりに大きなものを手に入れられるようになった。しかし他の家電商品同様に「壊れていないのにわざわざ買い替える必要もないだろう」と考えるのは、買い替えのメリットが無い以上、当然の話といえる。
元資料では「4年前のモデルとの比較ですら最大で半分近い電力量の節約ができる」「小容量より大容量の方が省エネ度が高い機種が多い」「同じ外形容量でも詰め込める容量が増加している機種もある」など、買い替えの利点を説明している。しかし【白熱電球から電球形蛍光ランプ、LED電球に交換……でも何か月で元が取れる!?】などと同じように、消費電力量・料などを元に、買い替えによってどのくらいの期間の利用で「故障して買い替えないといけないタイミング以外」での買い替えに出費上のメリットが生じるのか。そのあたりが明確化されないと、これら20.1%の人たちの腰は上がりそうにない。
冷蔵庫の目安容量は2人なら310リットル、3人なら380リットル、4人なら450リットルとされている(今件資料より抜粋)。ゴージャスな機能を望まなければ、400リットルレベルのものは10万円前後の価格帯で収まっている。この「10万円前後の出費」を思い起こさせるほどのメリットが、消費電力の節約分だけで賄えるのか否か。電球を買い替えるのとではケタが数ケタも違う。東京電力などに試算をお願いしたいところだ。
…もっとも、やはり同じ資料によれば、大容量冷蔵庫買い替え・購入のきっかけの多くは「引っ越し」「結婚」「以前の冷蔵庫の故障や不具合・老朽化」。特に前者二つはカップルの事例が多い。(電気料金の節約云々といった野暮な話では無く、)人生の新ステージに足を踏み入れる際に冷蔵庫も買い替えるというのも、十分理解できる話ではある。
スポンサードリンク