【更新】シンプルで「ハッ」とさせられるパーキングセンサーの広告

2010/09/14 05:30

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妖精さん、どうしたの?自動車事故には多種多様な種類のものがあるが、運転手が案外油断しがちなのが、縦列駐車などで後退運転をする時における事故。自動車は構造上前面と比べて後面が見えにくいこともあり、距離間隔を間違えて壁に衝突したり、運転席からは見えなかった人(特に背の小さな子供)に接触する事故は後を絶たない。今回紹介するのは、それら「バック運転時における事故」をシンプルな構成で思い起こさせ、事故防止用のオプションが欲しくなるような広告である(【I Believ in Advertising】)。



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↑ ギアレバーの「R」の部分が消火栓にまたがって……
↑ ギアレバーの「R」の部分が消火栓にまたがって……

R部分拡大これはブラジルでフォルクスワーゲンが展開した広告。大きくシンプルにギアレバーのガイダンスが黒いテープで描かれ、その「R」(後退)部分のテープに消火栓が踏みつぶされている。自動車を運転した経験がある人ならこれだけで、「あ、道路わきに駐車するためにギアをR(後退)に入れて移動させている最中に、消火栓にぶつかったんだな」ということが連想できる。さらにガイダンス部分が最後まで伸びているので、「消火栓に衝突してそこで止まったのでは無く、踏みつぶしてそのままバックを続けたのか」という想像すらしてしまう。

また、実際に衝突した自動車後部では無く、広告で訴えかけたい対象の運転手にとって身近な自動車の部位であるギアレバーを素材に用いることで、「もしも」の状況をよりリアルに頭の中で再現させている。もし自分自身がバック中に消火栓へ接触する事故を起こしたのなら、その瞬間自分の手はギアを手にし、「R」側に引き込んでいるからだ。

そしてふと右下に目をやると、「フォルクスワーゲン社の自動車を購入なさる時には、パーキングセンサーも忘れずに(Get a Volkswagen with parking sensor.)」。オプションのパーキングセンサーをつけていれば、こんなことにはならなかったのに、というメッセージを暗に伝えている。

「フォルクスワーゲンのパーキングセンサー」の実物は[こちら]。説明を引用すると、

縦列駐車や車庫入れなどでクルマを後退させる時、車両後部に装着した4つのセンサーが、後方の障害物との距離を感知します。警報(ピー)音が距離に応じて変化することで、運転者に障害物との接近距離をお知らせし、接触防止に効果を発揮します。

とある。これなら確かに、衝突する前に警報音が鳴るので、消火栓を踏みつぶしてまでバックしてしまうことはないだろう。

元記事ではもう一例、別の衝突事例を模した同パターンの広告を紹介している。

↑ 子供……に例えた妖精さんの人形
↑ 子供……に例えた妖精さんの人形

こちらの方が本当の事故事例としては良くある話で、同時に観た人へのインパクトも大きい。ただ、妖精さんの人形に代打をしてもらっているとはいえ、この類の広告を好かない人もいるだろう。印象は強い方が多くの人へ効果的な広告となるが、あまりネガティブ過ぎて敬遠されても困りもの。そのバランス感覚が難しい。

ともあれ、シンプルかつリアルに「パーキングセンサー」の重要性を訴えかけるという点では、非常に優れた広告と評することが出来よう。



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