1割強…年金の仕組みを「詳しく」知ってる人の割合
2010/09/07 07:20
アイシェアは2010年9月6日、高齢者と年金の行方に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、日本における年金の仕組みを詳しく知っている人は12.0%しかしないことが分かった。少し知っている人が3/4強を占め、まったく知らない人も1割を超えている。また、若年層ほど認知度は低く、20代では16.3%もの人が「まったく知らない」と回答している(【発表リリース】)。
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今調査はアイシェアが2010年8月12日から8月19日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員(携帯電話による個人認証を利用したもの)に対して行ったもので、有効回答数は441人。男女比は男性52.2%・女性47.8%。年齢階層比は20代30.6%・30代33.1%、40代36.3%。
昨今において「非存在高齢者」などの言葉が比喩として用いられているように、所在確認をしたところ実在しなかった・所在が不明な高齢者の事例が続々と見つかり、年金の詐取問題とあわせて小さからぬ社会問題化している。それと共に年金そのものの仕組みについても、再びスポットライトが多数当てられている状況。
日本の年金の仕組みや状況は【年金資金の運用状況】や【年金支払履歴が到着しました】、【「基礎年金は全額税金」「消費税を財源」「既支払分は+α支給」麻生氏が中央公論に論文】などで解説した通り。一言で説明すると「互助会」のようなもので、自分が支払っているのは「自分自身の積立金」ではなく、「年金互助会」の会費・将来年金を受け取る権利を取得するための料金に過ぎない。また各国とも高齢化に伴い少なからぬ問題を抱えており、【各国の年金制度の改革案をチェックしてみる】でも解説しているように、国ごとに特徴のある改革が進められている。
さてこれらの年金の仕組みだが、詳しく知っている人は全体で12.0%。どの程度までを「少し」と判断するのかは個人の判断次第なのでややあいまいだが、ともあれ「詳しくではないがそれなり・そこそこ知っている」人は76.6%。「少しも知らない」という人は11.3%に達していた。
↑ 日本の年金の仕組みを詳しく知っていますか
困った事に年齢が上がっても「詳しく知っている」人の割合はさほど増えず、40代でも13.1%と2割にすら届かない。「まったく知らない」人が8.1%にまで減少するのが幸いだが、20代では16.3%もの人が「まったく知らない」と答えているのも気になる。
歳を取るにつれてそれなりに年金に関して気になって来るものの、色々と調べるのは面倒だし、また制度が変わる可能性は高く、今この時点で懸命に覚えても損をするかもしれない。だから「ちょっと概要をかじるくらいでいいかな」という心境の人が増えてくるのが、経年につれて「少し知っている」層が増加している理由なのかもしれない。
幸いにも昨今ではインターネットを使うことで、学べる場所を山ほど得ることがてきる。年金の各種通達が手元に届いても、頭に疑問符を浮かべることのないよう、最低限のことは学んでおこう。結局のところ一人ひとりの将来にも大きく関わってくる、自分自身の問題なのだから。
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