著者自身で情報更新が出来る「著者ページ」、アマゾンでスタート
2010/09/04 12:05
【CNET】が伝えるところによるとアマゾンジャパンは2010年9月1日に、書籍の著者自らが最新情報を掲載できる「Amazon著者ページ」を新設した。現在のところ文庫、一般書籍の著者のうち、略歴・近影を掲載している57人と、アマゾン側で編集した海外の著名著者12人分のデータが確認できる(『Amazon著者ページ』)。
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↑ Amazon著者ページ
↑ 猪瀬直樹先生のページ。先生の著書一覧や動画メッセージ、略歴、アンケートへの回答、口コミデータなどが用意されている
↑ 各著書の個別データで「著者ページ」を持つ作家の場合には、作家名にカーソルを合わせると吹き出しが表示され、「著者ページ」「著者セントラル」への誘導が行われる(通常はクリック対象となり、その作家の作品一覧が表示されるだけ)
「Amazon著者ページ」とは著者の情報を集約したもので、著者の作品一覧や、著者写真・略歴など、著者に関する情報が満載のページ。ソーシャルメディアにおける個々のアカウントのプロフィールページが、そのまま著者向けにアマゾン内で構築されたようなもの。利用者は本屋の作家先生毎のコーナーを確認する感覚で、その著者の本を見つけることができる。
一方著者側に向けては次のようなアピール文が掲載されている。
つまりアマゾン側では
「読者・利用者は気になる書籍の著者情報詳細を確認し、著者自らが発する最新情報を知り、その著者との距離感をより縮めることができる。また、その著者の作品をまとめてチェックできる」
「アマゾン側は著者が『お痛』をしないようにチェックは入れるが、書籍著者にアピールする場をアマゾン内部に無料提供。コンテンツの充足が半ば自動的に行われ、読者・著者双方の満足感をアップできる」
という形で、「著者」「読者・利用者」「アマゾン」の三方すべてがメリットを得られる仕組みを提供することになる。
著者側は、自分の「著者ページ」が無い場合には新設の申し込み、すでに有る場合には各種「著者ページのコンテンツの」変更を『Amazon著者セントラル』から行うことができる。「書籍カタログを登録されている著者の方であれば、どなたでも著者セントラルに参加していただけます」という表記があるので、アマゾン上に「自分の著書」を持つ作家先生なら誰でもこのサービスを利用できるようだ。現状では文庫、一般書籍の著者のみがリストアップされているが、今後特に制限が無い限り、ライトノベルや各種漫画など、幅広いジャンルの書籍における著者ページが構築されることになるはずだ。
書籍著者の多くは独自のブログやウェブサイトを持ち、自身の近況やプロモーション情報、新刊や既刊の情報を提供している。今回の「著者ページ」「著者セントラル」のサービス開始は、それらをアマゾンの土俵内で提供しようといった試み、と表現できる。いわば「新刊発売の際に大型書店などで行われる、筆者自らが登場する販売会」を屋台街のような形にして、アマゾンという巨大な本屋の敷地内に提供すると例えられる。
【アマゾンで商品ごとの掲示板「この商品について語る」試験運用開始】や【米アマゾンで先行導入中の機能「Amazon Meters」-目指すは主婦の井戸端会議!?】などでも触れているが、単なるインターネット上のショッピングモールとしてだけでなく、それをきっかけにした総合コミュニティ、今風の言葉で表現すればソーシャルメディアの構築を模索しているアマゾン。今回の「著者ページ」「著者セントラル」は著者側のやる気時代では、大きな話題と成果を呼ぶものになるに違いない。
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