子供の「初めて」は親の年齢次第
2010/09/04 06:18
ドゥ・ハウスは2010年8月31日、「子供の”はじめて”に関するアンケート」の結果を発表した。それによると調査母体においては、保護者側の年齢が若くなるにつれて子供に対してはじめて「腕時計を買い与える」「携帯電話を買い与える」「パソコンを使わせる」といった「大人へのファーストステップ」の、子供側の年齢も若くなる傾向があることが分かった。例えば携帯電話の場合、50歳以上の保護者では過半数が「子供が高校生になってから」と回答しているのに対し、49歳以下の保護者では「小学生で」「中学生で」がボリュームゾーンとなっている(【発表リリース】)。
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今調査は2010年8月5日から9日にかけてインターネット経由で、子供がいる20代-60代の人に対して行われたもので、有効回答数は331人。年齢階層比は20-34歳が54人・35-49歳が197人・50歳以上が88人。調査母体がやや少なめなので、結果には多少のぶれが生じている可能性を考慮した上でデータを見る必要がある。
保護者が子供に使うことを許可したり、買い与えるものは多種多様に及ぶが、それが子供の成長過程を見た上での判断の結果であったり、逆に子供に自立心をうながすためのものの場合もある。例えば【一台でずっと長持ち・成長に合わせて「変身」するナイス自転車「いきなり自転車」】で紹介した「自転車」が良い例だ。今回調査対象に上がったアイテムは、昔ながらの「腕時計」、そしてここ十年ほどで急速に普及し、さらに現在もなお進化を続けているために「子供にいつ買い与えるべきか・使用許可を出すべきか」というタイミング取りが難しい「携帯電話」「パソコン」の計3種類。
それぞれについて、「保護者側の年齢別」に、子供がどのくらいの年齢になった時に買ってあげたか、使用許可を出したかの質問の回答をまとめたのが次のグラフ。
↑ 子供に初めて腕時計を買ってあげた学年
↑ 子供に初めて携帯電話を買ってあげた学年
↑ 子供に初めてパソコンを使わせた学年
まずざっと見で分かるのは、「腕時計は小学生」「携帯電話は中学生-高校生」「パソコン使用は小-中学生」がボリュームゾーンであること。そして保護者の年齢が上がるにつれてボリュームゾーンが高年齢化する傾向が確認できる。例えば腕時計の場合、
・35-49歳……小学生-中学生
・20-34歳……小学生
といった具合だ。
元資料では「そのような傾向がある」と説明しているだけで「なぜ」については言及されていない。今データだけでは推測以上の裏付けはできないが、「保護者の年齢が若いほど、(自分自身の人生全体に対して)身近に感じた時間が長く、これらのアイテム(特にデジタル系)の恩恵をよく知っている。そのため、子供にも早くその恩恵を得て欲しいと考えている」「保護者年齢が若いほど便利さと社会に出てからの大切さを強く認識しているので、養育の上でも子供に早く体験して色々と学んでほしいと思っている」のが原因と考えられる。一言でいえば「若い保護者ほどデジタル系アイテムへの警戒感が薄く、必要性を認識している」というところか。
個々のデータを見ると、例えば携帯電話の場合、保護者の年齢を考えなければ全体として、「中学生から普及率が上昇」「高校生になると跳ね上がる」という傾向が【小中学生の携帯保有率は女の子の方が上、「家族と一緒のケータイだよ」は数%程度】などで確認されている。しかし保護者年齢の上では、50歳以上の場合は圧倒的に高校生・49歳以下の場合は中学生でも多分に買い与える場合が出てくることが分かる。
成人してから購入・利用するタイプの品物(例えば自動車)はともかく、成人前に使い始めるものについては、単純に必要性のタイミング……携帯電話なら子供が塾に通い始める時期……や子供の年齢のみで普及率・浸透率を考えがちであるし、ほとんどの調査データもそれを前提にしている。しかし今件のように「買い与える判断をする大人側の年齢」によっても多分に違ってくることを、頭のすみに入れておく必要があろう。
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