米高齢者のソーシャルメディア入り、1年で2倍の伸び

2010/08/29 12:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
シニアなパソコン利用【ソーシャルメディアは女性上位】【アメリカのソーシャルメディア普及度をかいま見られるデータ】を見る限り、国内外を問わずインターネットサービス、とりわけソーシャルメディアは若年層の独壇場で、高齢者は敬遠しているように見える。しかし他のデジタル系インフラ同様、時代の流れと共に中堅層・高齢者にも浸透を続けているようだ。先日【PewResearchCenter Publications】で紹介されていたPew Internetの【調査結果】によれば、65歳以上のアメリカ国内の人において、ソーシャルメディアを利用している人の割合が13%から26%と2倍に増加したことが確認できた。50-64歳の層もほぼ倍増しており、元々普及率が低いにせよ、急速に広まりを見せているのが分かる。



スポンサードリンク


今調査は最新分については2010年4月29日から5月30日の間に、18歳以上を対象に電話による聞き取り調査方式で行われたもので、有効回答数は2252人。

まずは年齢階層別にソーシャルメディアを利用している人の割合(調査母体内のうちインターネット利用者において)だが、2008年から2009年くらいまでは圧倒的に若年層の利用率が高く、それが現在においても続いていることが分かる。しかし同時に、中堅層から高齢層の利用率は若年層のそれより急なカーブを描いて上昇を見せている。

↑ 年齢階層別・ソーシャルメディア利用率(アメリカ、インターネット利用者)
↑ 年齢階層別・ソーシャルメディア利用率(アメリカ、インターネット利用者)

普及率が高まればそれ以降の上昇率が鈍化するのは当然の話。ただ、個々の増加率では無く「全体に占めるそれぞれの階層の構成比率」を想像すると、当然高齢者の「新規加入者の」比率が増加しているのが理解できる。なじみのソーシャルメディア内の地元コミュニティで「新人さんです、よろしくお願いします☆」と可愛らしい挨拶のメッセージを送ってきた人が、実は近所のおばあちゃん・おじいちゃんだった、ということも十分ありえるお話。

具体的な値を見ると、例えば2009年4月から2010年5月までのほぼ1年の間に、

50-64歳……25%→47%
65歳以上……13%→26%

とそれぞれ利用率がほぼ倍増している。

彼ら・彼女らは具体的に何をしているのか。普段インターネット上でどんなことをしているのかについて聞いた結果が次のグラフ。高齢層でもネットの活用方法の主流は電子メールやニュースの取得であるが、掲示板やソーシャルメディアにも顔を見せる人が少なからず出ているのが分かる。

↑ 年齢階層別・インターネットユーザーが普段の日にする行動(アメリカ)
↑ 年齢階層別・インターネットユーザーが普段の日にする行動(アメリカ

あくまでもこれらのデータは「インターネットを利用している」人たちにおけるもの。【アメリカの年齢別インターネットや携帯電話の利用性向】などを見れば分かるように、高齢層のインターネット上での(特に目新しい)サービスの利用率はそれほど高くは無いし、インターネットの利用率そのものも「若年層と比較すれば」高いとはいえない。しかし最初のグラフを見れば分かるように、高齢者の間にも積極的にソーシャルメディアを活用しようとする動きは広まっているし、インターネットの利用率そのものも減少するとは考えにくい。

先日の【グリーとディーエヌエーによるテレビCMの多さの「なぜ」を”もう少しだけ”考えてみる】の話ではないが、高齢者の利用率増大により、ソーシャルメディアも「若年層の集まり」から、本当の意味での「年齢を問わないソーシャルな場」へと進化を遂げていくのかもしれない。



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS