ツイッターで採用活動2.8%・理由は「コスト安」「応募数増」「相手の人物像把握」
2010/08/29 06:28
ソフトバンク・ヒューマンキャピタルは2010年8月27日、採用活動に関わっている人に対し行った「採用担当者の意識調査」を発表した。それによると調査母体においては、採用活動でチャットのようなミニブログ【ツイッター(Twitter)】を使っている人は2.8%に過ぎなかった。ただし利用したいと考えている人は2割近くに登る。また、採用活動そのものに積極的な担当者ほど、ツイッターの利用についても前向きに考えている傾向が見受けられる(【発表リリース】)。
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今調査は2010年8月12日から15日にかけて、採用活動に関わっている正社員400人に対して行われたもので、男女比・年齢階層比などは非公開。
【ソーシャルメディアの現状が分かるバイラルビデオの新作「Social Media Revolution 2」を視聴してみる】や【米経営陣がソーシャルメディアを使う理由・使わない理由】などにもあるように、海外ではソーシャルメディアを用いた求人活動が積極的・活発に行われている。他方、日本では求人専用サイトの利用率は非常に高いが、ソーシャルメディア上では禁止事項となっているのが多いことや求人サイトで十分と思われているフシがあり、積極的な動きは見られない。
実際、今回の調査の中で、ソーシャルメディアの一つ「ツイッター」による採用活動(ツイッターで「だけ」では無く、ツイッターを手段の一つとして用いるという意味)の有無について聞いたところ、全体では8割近くが「考えてもいない」と回答する結果となった。現在使用中の企業は3%にも満たない。
↑ 採用活動にツイッターを利用しているか(昨年と比べた採用活動姿勢別)
企業の採用活動姿勢別に見ると、積極的な採用活動をしている所ほど、ツイッターへの利用性向も高くなる傾向が確認できる。特に「採用活動に積極的」な企業では、最大で1/3が利用企業になる可能性を秘めている。
それではなぜ求人活動にツイッターを使いたいのか。回答者が少数のため多少のぶれがあるが、上位には「コスト安」「応募数増加」「応募者の考え方や姿勢が知りたい」がついた。
↑ 採用活動にツイッターを利用している・したいと思う利用(複数回答、採用活動にツイッターを利用している・検討中・利用したいと考えている人限定)
「応募数を増やしたい」「応募者の考え方などが分かる」「インタラクティブなコミュニケーションが可能」などは積極的かつ有意義な使い方といえる。一方で「流行っている」「コストがかからない」あたりは、正直「どうかな」という感はある。確かにシステム構築上の費用はかからない(ウェブサイトやブログと比べて、わざわざ自前の場所を創作する必要は無い)が、会社のアカウントを使って応募周りを取り仕切る・運用する人材は必要になり、その分人件費が余計にかかる。デジタル化すれば無条件に、しかも各段にコストが下がると勘違いし、担当する現場の人たちの負荷増加を考えていない、典型的な失敗例となりうる。
別項目では採用コストは、上昇傾向を続けているという結果も出ている(1人あたりの平均予算は平均64万9千700円だそうな)。コスト削減を目指すのは悪くないが、要らぬ混乱を社内に導いたり、大きな負担追加を社員に強いて、その社員をつぶしてしまうことのないよう、注意してほしいものだ。
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