【更新】ソーシャルメディアの信頼性と重要性
2010/08/22 12:00
先日デジタルマーケティング系の情報サイト【eMarketer】で、調査機関【Invoke Solutions】が提示したソーシャルメディアと信頼性などに関するレポートを元にした、ちょっとした解説記事が掲載されていた。ソーシャルメディア内でブランド力や口コミの力がどのような影響力を及ぼし得るのか、信頼に足るものと認知されているのか、アメリカでの調査結果ではあるが、興味深い内容といえる。情報のソースはスライドショーの形で[こちらに公開されているので](http://www.slideshare.net/invokesolutions/hyper-social-networking-report-slideshare-version 、現在はアクセス不可)、気になる人は全文を閲覧してもらうことにして、ここでは2つばかりデータを抽出してグラフを再構築し、さらに1つグラフを創り上げてみることにする。
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まずはソーシャルメディア発の情報について。同じソーシャルメディアからの情報でも、発信者が誰か、どんなメディアを使っているかで、微妙に信頼性が違ってくるようすが分かる。プラットフォームも発信者も双方とも、受け手から見た信頼性に大きく変化を与え得るというわけだ。
↑ ソーシャルメディアからの情報の信頼性(米・2010年6月・ソーシャルメディアを頻繁に活用する人)
一番信頼性が高そうなのは自分が知っている相手のネット上での記事。ただ、ブログやFacebookの記事と比べると、ツイッターのツイートはプラットフォームが違うというだけで信頼性がかなり落ちてしまう。また、独自情報発信をしているブロガーの意見は概して低い。相手が誰か、信頼性があるか否かを認識していない以上、その意見も信頼できるか否か判断できないということだろう(そのブログを足しげく通い、内容について信頼に足るものと認識し、常連になれば、それは「知っている人のブログ記事」となりうる)。
やや分かりにくいところもあるので、信頼性を0-4の値で割り振り、概算値を算出。その上で一番低い「独自情報発信ブロガーのツイート」を100%とした場合の比較値が次のグラフ。信頼値の割り振り次第で値も変化するので、あくまで参考値程度のものと見て欲しい。
↑ ソーシャルメディアからの情報の信頼性(独自情報配信ブロガーのツイートを100%とした場合)
仕組み的にはミニブログであり、ブログと変わるところはないのだが、利用ハードルの低さや即効性もあり、ツイッターの信頼度は概して低いようだ。
さて、ソーシャルメディアを今後も使い続けるにあたり、どんなことを重要視するか、言い換えれば、どんなことをシステム側が守ってくれれば・要素として存在すれば、継続利用をするのかについて。もっとも重要視されたのは「コメントの公平な公開性」だった。要は(公序良俗や倫理観に反しない範囲で)コメントはオープンであるべきだという考えが強いことが分かる。
↑ 今後ソーシャルメディアを利用するにあたり、どんなことが重要か(米・2010年6月・ソーシャルメディアを頻繁に活用する人)
各項目を見ると、例えばコンテンツについては「量」よりも「質」が求められていることが分かる。また、スポンサーやシステム側が用意していることも多い著名人などからの反応性も大きな要素として挙げられている。逆に自分自身の利用経験は、時間もソーシャルメディア内での知人関係も、それほど強い重要性は(比較論ではあるが)無いと認識していることになる。
これらはあくまでもアメリカの事例なので、日本でそのまま当てはまるとは限らない。しかし口コミの信頼性の高さ(相手を認知し、信頼しているならば、その人の発する情報も信頼に足るものと認識される)、ツイッター経由の情報は現時点では軽視される傾向があること、そして情報の公開性が重要視されていることや、コンテンツは量より質を求められているあたりは、参考に値する内容といえよう。
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