7月は順調・日照時間(2010年7月分)
2010/08/03 05:18
先に【やっぱり今年は晴れの日が少ない!? 日照時間】から毎月定点観測を続けている日照時間推移。今回も気象庁のデータを元に、最新の2010年7月分のデータを盛り込んだ日照時間の推移を確認する。
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データ取得元は【気象庁の気象統計情報のコーナー】。まずは「最新の気象データ」から「天候の状況」を選び、そこから「日照時間」における、「昨日までの各期日平均」と「同時期の平年値」を比較。そしてその割合を示した地図をいくつか抽出する。赤系統の色ほど日照時間が平均より多く、薄い色で大体平均。灰色から黒に近付くに連れて日照時間が少ないことを意味する。
↑ 日照時間30日間合計
↑ 日照時間60日間合計
↑ 日照時間90日間合計
前回データと比べると、関東地域で特にど黄色・赤系統の点々が増加しているのが確認できる。一方で北海道・九州地域では逆に灰色-黒系統の色が増えているのが分かる。特に直近30日間平均では北海道全域が、60日平均では九州全域が灰色系統で覆われているのが心配。
●東京、そしてお米の産地・新潟と熊本で定点観測データを検証
前回の記事同様(&データの継続利用のため)に、東京、そして米どころとして新潟と熊本において「気象統計情報」から【過去の気象データ検索】を選択。1989年から2010年7月までの月次データ、さらに過去21年(1989年-2009年)の月単位の平均値を出して、各地域ごとにグラフ化したのが次の図。
↑ 東京の日照時間(月あたり、時間)
↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)
三地域では東京の1月分がやや長いだけで、後は平均・昨年と比べて短めだったのが気になるところだった。しかし5月以降は三地域とも日照時間が長めの結果が出ており、安心というところ。
現時点で【三か月予報】から日照時間部分を抽出した限りでは、
9月……天気は、北・東・西日本では数日の周期で変わるでしょう。沖縄・奄美は、平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。全国的に残暑が厳しい見込みです。
10月……天気は、数日の周期で変わるでしょう。
とある。8月・9月において北日本で日照時間が少なくなる可能性が示唆されており、この地域での農作物の育成が気になるところ。
●1993年の「平成の米騒動」の時と比較してみる
さて、今冬から春先における日照時間の減退と、それに連なるであろう冷夏となれば、想像されるのが農作物の不作。特に計測対象地域にも挙げられた「お米」が気になるところ。現時点では「冷夏」とは程遠い暑さが到来しているが、北日本ではやや日照時間不足が懸念されている状態。ともあれ直近でお米不足が特に問題視された1993年の「平成の米騒動」(この時の米収穫量の不足も冷夏が主要因だった)のデータを抽出し、比較したのが次のグラフ。
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)
↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
1月ではどの地域も1993年よりも高い値を示しているが、2月以降はいずれも2010年の方が、1993年時よりさらに日照時間は少ないものとなっていた。しかし6月以降は東京・新潟がかなり多め、7月に入ると熊本も多めの結果となった。農作物の出来・不出来は日照時間だけに左右されるものでは無く、気温や降水量にも大きな影響を受けるため、一概には言えないが、日照時間の減退≒曇りか雨≒気温の低下を意味する場合が多いため、6・7月以降の傾向は頼もしい状況といえる。
なお各地域の7月までの累計日照時間を1993年のそれと比較すると、東京+8.3%・新潟+4.7%・熊本+3.0%となり、観察地域3拠点すべてでプラスを見せている。
ちなみに【降水量を見ると】昨月同様、特に日照時間の短めな北海道地域で平年よりかなり多い。
↑ 降水量90日間合計
日照時間に限っていえば、年間累計値という観点ではほぼ安心できる域にまで達している。ただし春先の日照時間の少なさが、秋に収穫される農作物にどれほどの影響を与えるのかは未知数であり、気になるところ。また、北海道・東北地域、九州南部での日照時間の少なさや雨の多さも、地域別の問題点として留意しておく必要がある。
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