人気電子書籍は小説と漫画
2010/07/27 04:50
マイボイスコムは2010年7月23日、電子書籍に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、電子書籍で読んだことがある書籍のジャンルのトップには4割超の回答率で「小説・ライトノベル・エッセイ」がついた。数ポイントで及ばないものの、「漫画(コミック)・アニメ」がそれに続いている。今後読みたいジャンルでも両項目がトップ2を占めており、両者が電子書籍では大きなニーズを持つことが分かる(【発表リリース】)。
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今調査は2010年7月1日から5日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万3890人。男女比は47対53で、年齢階層比は10代2%・20代12%・30代32%・40代31%・50歳以上23%。
専用端末、パソコン、携帯電話を問わず、これまでに電子書籍を読んだ経験がある人は31.7%。それらの人に、これまで読んだ経験のある電子書籍のジャンルを尋ねたところ、トップは「小説・ライトノベル・エッセイ」となった。
↑ 電子書籍で読んだことがあるジャンル(読んだことがある人限定、複数回答)
次点には数ポイント下がって「漫画(コミック)・アニメ」がついている。これらのジャンルが盛況なのは、【ケータイ+漫画=新しいニーズ!? 急増する電子書籍をひも解く】にもあるように、日本国内でこれまで携帯電話やパソコン上で展開されていた電子書籍が、両ジャンルを中心していたからだと思われる(ラノベあたりは俗に言う「ケータイ小説」で一世を風靡したことが記憶に新しい)。他は「ノンフィクション」がやや高いくらいで、後はほぼどんぐりの背比べ状態。
それでは「今後」、電子書籍でどのようなジャンルを読みたいのだろうか。こちらは全員に聞いてみたが、具体的な項目ではやはり「小説・ライトノベル・エッセイ」「漫画(コミック)・アニメ」の順となった。
↑ 今後電子書籍で読みたいもの(複数回答)
「読んだ経験がある電子書籍」と比べると、「ノンフィクション」の順位が下がり、「暮らし・健康・料理」「旅行・留学・アウトドア」が上位についている。これらのキーワードから連想されるのは、若年層のエンタテインメント・高齢者の「セカンドライフ」における楽しみ方。電子書籍を介して新たな世界への扉をノックしようとしているのかもしれない。
一方で気になるのは、「電子書籍で」読みたいものが無い、という回答が4割強にも達していること。絶版が手に入る可能性が高い、(携帯電話などに読みこんでしまえば)持ち運びが楽、紙媒体よりも安価で手に入ることが多いなどメリットも少なくない電子書籍だが、基本的に中身そのものは紙媒体のものと変わりない(最近ではインタラクティブ系のものも増えてきたが……)。わざわざ新しい環境を用意してまで電子書籍で読むまでも無い、というのが4割強の人たちの本音なのかもしれない。
逆に考えれば「わざわざ環境を用意してまで読みたい電子書籍」を創り出せれば、彼らの目も電子書籍側に向くことになる。どのような手法を用いるかは送り手側の考え次第であり、まずはお手並み拝見といきたいところだ。
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