BPの株価下落1000億ドルで買えるモノ
2010/07/23 12:05
先に【BP社事故の原油流出量を色々なモノに例えてみる】で、メキシコ湾の原油流出事故で生じている流出分の原油がどれくらいの量になるかについて触れた。その中ではBP側の直接の損失は現時点で35億ドル、それに加えて流出分の原油が3億ドル強の価値がある、としている。一方、一連の流れでBP社の株価は急落し、一時は事故発生前のほぼ半値にまで落ち込んだ。これによる時価総額の減少(株主や会社自身にとっては間接的な損失)は1000億ドルに達する計算になる。この「失われた1000億ドル」で何が買えるのかについて試算したのが、【What BP Could Have Bought With All the Money They Lost】である。
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↑ BP社の株価。事故直後から下落を見せていたが、7月頭以降は回復しつつある
・キレイな水を口にできない8億8400万人の人たちに、洗浄された水を10年分(88億4000万ドル)
・カタリナ台風で家を失った27万5000世帯の人に新しい住宅(481億2500万ドル)
・全世界の人へアイスクリームサンド(33億9500万ドル)
・米ヤフー社丸ごと(200億6900万ドル)
・BPの社員全員にトヨタの2010年型プリウスを1台ずつ(19億6800万ドル)
・ツイッター系文庫で有名な『Sh*t My Dad Says』を全ツイッターユーザーに(9億2200万ドル)
・ツイッター社丸ごと(10億ドル)
・バハマ諸島の一部(3330万ドル)
・アメリカの全小学生にホッピングマシン(6億2125万ドル)
・アメリカの全10代にコンドーム3つ入りの一式(845万ドル)
・アメリカの全大学生にiPad(83億0500万ドル)
・アメリカの上院議員全員に宇宙旅行(30億ドル)
・恵まれない子供達100万人に対して1年間のスポンサー(2億6400万ドル)
・3匹の狼が描かれたTシャツを全アメリカ国民に(34億3200万ドル)
・アイダホ州の全住民に、3匹の狼が描かれたTシャツをもう一着(1700万ドル)
『Sh*t My Dad Says』とは28歳で実家に戻り親と同居する羽目になった主人公が、ライター稼業の傍らで73歳の父親の言葉をツイッター上でツイートしはじめたところ、100万人以上のフォロワーが付き、その内容を出版することでベストセラー作家にもなれたという、まさにアメリカンドリームを地でいったようなお話の本。本人のアカウントは【こちらで】、今やフォロワーは150万人近くに達している。ツイートを見るとお世辞にも丁寧な言い回しとは正反対にあるものばかりだが、いかにも「オヤジ」な感じで愛着が持てる。
さて総額はやや誤差があるためジャスト1000億ドルとはいえないし、最後の方は数合わせのために無理やり追加された感のあるアイテムが並んでいる。さらにあくまでも時価総額の変移であり、BP社が直接支払いを行った額でもない。とはいえ、どれだけの影響を与えたのかは十分に分かる比較といえよう。
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