米でも高齢者はテレビ偏向

2010/07/25 06:36

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テレビ日本のメディア利用、特に年齢別の消費時間や信用度の違いについては、【男性10-30代は「テレビよりインターネット」・年齢差きわだつメディアへの接触時間】をはじめ、複数の公的機関や調査機関の結果で知ることができる。一方で諸外国の事情となると【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図】など、日本で容易に入手できるデータはさほど多くない。そのような中、先日調べ物をしていた過程で調査会社のPew Internetによるレポート【Millennials will make online sharing in networks a lifelong habit】に、アメリカにおけるデジタル系のアイテムなどにおける年齢階層別利用事情を把握できるデータを見つけることができた。今回はその中から、「年齢区分別・ニュースを取得する媒体」に関する部分を抽出してグラフ化してみることにしよう。



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今調査は2010年1月14日から27日にかけてアメリカに住んでいる人に対し、電話インタビューで行われたもので、有効回答数は2020人。固定電話経由が851人、携帯電話経由が1169人。年齢階層比はミレニアル世代(18-29歳)が830人、X世代(30-45歳)が351人、ベビーブーマー世代(ブーマー世代、46-64歳)が487人、サイレント世代(65歳以上)が319人。

まずは「主にニュースを取得するメディア」。テレビがどの世代でもトップの座を占めているが、他のメディアとの相対的位置関係が趣深い。

↑ 主にニュースを取得する媒体
↑ 主にニュースを取得する媒体

「テレビが一番」という点以外で最初に気がつくのは、「ミレニアム世代」と「X世代」の類似性。「テレビ」に「インターネット」が肉薄しており、この両メディアをバランス良く活用しているのが分かる。逆に「新聞」「ラジオ」などは少数派。

テレビ視聴ところがベビーブーマー世代となると、「インターネット」の割合が大きく減少し、「テレビ」との差を大きく広げることになる。この世代では「インターネット」のニュースソースとしての重要性は、テレビの半分以下でしか無い。そして「インターネット」は「新聞」よりも下の重要性しか認識されていないことになる。

この傾向は65歳以上の「サイレント世代」でより一層明らかになる。「テレビ」大万歳状態で、「新聞」がそれに次ぎ(若年層における「インターネット」とほぼ同じ立ち位置)、「インターネット」はわずか13%でしかない。

このように、上記グラフをじっくりと見返すと、いわばX世代とブーマー世代の間、40歳代で大きな「デジタルデバイド」的なジェネレーションギャップが出来ていることが容易に見て取れる。日本でも幾分のずれはあるが、大体この年代層で「インターネット」などのデジタル系メディアへの姿勢の大きな違いが生じており、注目すべき動向といえよう。

なおインターネット上で「ニュース」に限定されるが、主にどこのサイトで情報を取得するかについて答えてもらったのが次のグラフ。

↑ 主にニュースを取得する場所
↑ 主にニュースを取得する場所

年齢階層別にややばらつきが見られるが、テレビ系の法人サイト(特にCNN)が手堅い支持を得ていること、ニュースの取得という点ではYahoo!がGoogleに大きく先行していることが確認できる。



今件はあくまでも「ニュース」を対象としている。例えば芸能人情報や身近な疑問に対する回答、料理のレシピ、健康への不安の解など、求める情報によって使う媒体や場所は違いを見せる。しかし主要な情報収集対象となる「ニュース」での「利用媒体における世代間での大きな変移の存在」、そして「40歳代でインターネットなどのデジタル媒体に対するジェネレーションギャップの明確化」、さらに「高齢者ではテレビや新聞に偏向する傾向がある」ことは留意に値する内容といえよう。

恐らくは、日本でもほぼ同じ状況にあると考えても良い。そして日本の場合はいわゆる「レガシーメディア」の様々な点における自浄作用が(海外と比べて)あまり機能していない点に、注意を払うべきである。



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