デジタル世代 10年後も継続?

2010/07/20 05:52

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デジタル世代【男性10-30代は「テレビよりインターネット」・年齢差きわだつメディアへの接触時間】をはじめ、携帯電話やインターネットの利用率・生活への浸透度と年齢区分に関する調査結果が発表されるたびに投げかけられる疑問の一つに「現在インターネットや携帯電話を駆使する、いわゆるデジタル世代な若年層は、このまま歳を取ってもその生活習慣を続けるのだろうか」というのがある。社会人になり家庭を持つことで物理的な自由時間は減るわけだが、それ以上に「熱が醒めるのでは」という考えだ。一方でこの一、二年の調査結果では「デジタル世代が少しずつ高年齢層まで広がり始めている」、言い換えれば「歳をとっても熱は醒めないのでは?」という傾向もちらほらと見受けられる。この疑問に対し先日、一つの論説が投げかけられた。調査会社のPew InternetとElon大学の研究結果によれば、アメリカにおけるY世代(Generation Y、1975年-1989年生まれ、いわゆるデジタル世代の一部)やミレニアル世代(Millennial Generation、1982年-2000年生まれ)の人たちは、オンラインとの付き合い、そのメリットを刷りこまれており、生涯を通じてオンラインと慣れ親しむ生活を続けるというものである(【WebProNews】)。



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今調査はPew InternetとElon大学によって、371人のインターネット分野・ハイテク分野の専門家に対して、さらに普通のネットユーザー524人も追加し895人で統計データが算出された(【該当データ】)。

↑ 10年後、デジタル世代のネットへの情熱はどうなる?
↑ 10年後、デジタル世代のネットへの情熱はどうなる?

・専門家達は10年後、つまり2020年までに「デジタル世代」ことY世代やミレニアル世代の人たちのうち67%が、家族を持ち、社会的地位も得るようになっても、オンラインの活用は続けるし、むしろ社会的・経済的・政治的な機会を通じて、メリットを確保し続けるため、より積極的に利用するようになると考えている。

・一方で29%は、「デジタル世代」の多くはそれらのネットワーク環境の多くから「卒業」し、会社や社会の上での利益に関わることや社会的責任などを負い、あるいは積極的に活動をするため、オンライン上への諸般の行動への熱意は醒めてしまうと考えている。

・専門家も含めたネットユーザー全体ではそれぞれ69%、28%となり、大きな差は出なかった。

「オンラインとの強い結びつきを継続するであろう」と考える人たちが三分の二を占めたわけだが、この理由については次のように説明されている。

彼らはオンラインで個人情報を共有することで、色々な社会的利益(友達を作ったりコミュニティを形成したり助けを求めたり、評判を勝ち得たり)を受ける事実を知り、その仕組みが継続することを確信している。特にいわゆる「ミレニアル世代」はそれを大いに実体験している。成人して社会人になっても、その恩恵を手放すことはしないだろう。

例が非常に雑だが、長い時間をかけて作り上げレベルも高く様々な技術も持ち、多くの友達との結び付きもあり、オンライン上のギルドの重要な地位にも就いていて、さらにはオフラインでのコミュニティ上のつながりも深い、オンラインゲームの自分のキャラクタを持っていたとする。そのゲームが運営終了にならない限り、容易に削除出来ない、という状況と同じ感覚だ。

ネットワークアメリカではオンライン上の活動は基本として実名で行われているまで、Facebookやツイッター上でのつながり、便益は、そのまま実社会の自分自身に反映される。オンラインゲーム上の便益以上のものがある「過去の蓄積の集大成」を、どうして捨てることが、情熱が醒めてしまうことがあるだろうか。人によっては学校や近所づきあい以上の大切な「つながり」「社会的便益」なのだから。

あくまでもこれは専門家やネットユーザーによる推論、あるいは自身の心持ちに過ぎないが、説得力のある説明といえる。



日本の場合はどうだろうか。日本ではオンライン上の活動はペンネーム・ハンドルネーム・無記名によるものが多かった。最近では少しずつ実名、あるいは実団体名を挙げて活動する人が増えてきている。特にクリエイティブな仕事をする人に、実名活動家が多いが、それは上記の「オンラインで個人情報を共有することのメリット」を十分に認識しているからに他ならない。

それらの人はもちろん、そうでない人も、デジタルな環境に慣れ親しんだ「デジタル世代」はオンライン・インターネット上での活動の利便性を十分に認識している。社会的立場を得て自由に使える物理的時間は減っても、恐らく時間の制約以上に「熱が醒める」ことは無いだろう。大人になればなったで、打算的にオンラインのメリットを上手く利用していくに違いない。



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