母親6割 子供に結婚強要せず

2010/07/16 05:15

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結婚楽天グループの結婚情報サービス「O-net」を運営するオーネットは2010年6月、(結婚)適齢期の子供を持つ母親の結婚・親子関係に関する意識調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、母親自身の意図として自分の子供に結婚して欲しいと考えている人は62.4%に達していた。一方でほぼ同数の6割は「理想の相手がいなければ、自分の子供は結婚しなくても良い」と考えているなど、子供の意思を尊重する個人主義的な傾向が強いこともうかがわせる結果となっている(【発表リリース】)。



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今調査は2010年5月14日から21日にかけて、楽天リサーチのモニターの中で25-39歳の未婚の子供(複数の場合は最年長の一人について回答)を持つ女性に対し、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は450人。子供の男女比は1対1、子供の年齢階層比は25-29歳・30-34歳・35-39歳で均等割り当て。結婚予備軍である子供自身ではなく、その母親が回答していることに留意する必要がある。

結婚について子供本人はもちろん、その母親も少なからぬプレッシャーを受けているであろう母親が置かれている状況において、母親側は25.3%が「早く結婚してほしい」・37.1%が「いずれは結婚して欲しい」と考えている。合わせて62.4%の母親は「子供に結婚してほしい」と母親側の意図を強く持っている。

↑ 子供の結婚について(してほしいか否か)
↑ 子供の結婚について(してほしいか否か)

「本人の気持ち次第」、言い換えれば「本人にその気持ちが無ければ結婚しなくても良い。母親の立場でどうこうできる問題では無い」とする意見は37.1%でしかない。

しかし一方で、具体的な案件を提示して尋ねると、母親側にもドライな傾向があることが確認できる。例えば「理想の相手がいなければ、子供は結婚しなくてもよい」という項目に、6割の母親は同意を示している。

↑ 子供の結婚について(考え方への同意率)
↑ 子供の結婚について(考え方への同意率)

結婚「子育てを経験して欲しい」とする意見が9割近くを占める一方で、「上手く行かなかったら離婚しても良い」77.6%、「理想の相手がいなければ結婚しなくてもよい」60.0%など、子供の結婚について現状を見据えた上でのやや冷めた考えが見えてくる。さらに「晩婚かもしれない」77.3%・「結婚しないかも」38.9%と、子供の晩婚・非婚を意識している傾向も確認できる。実際、【日本の婚姻率・離婚率・初婚年齢の推移】にもあるように、晩婚化・婚姻率の低下は統計的に確認されており、「冷めた」というよりは「冷静に状況を認識している」と見た方が正確かもしれない。

しかしながら母親が自分の子供の結婚について、単に状況を見据えた冷静な判断を行っているだけとは限らない。例えば「子供が独身でいることにプレッシャーを感じたことがある」の項目は全体では26.9%に過ぎないが、子供の年齢階層別にみると、歳が上がるに連れてプレッシャーが大きくなるのが確認できる。

↑ 子供が独身でいることにプレッシャーを感じたことがある(子供の年齢階層別)
↑ 子供が独身でいることにプレッシャーを感じたことがある(子供の年齢階層別)

適齢期の子供を持つ母親の心境としては

「現在の風潮を見据えて、子供の晩婚化や非婚の可能性があることは否定しないし、ある面では仕方ないと考えている」
「理想の相手が見つからなければ、結婚をしなくても良いかな、という考えもある」
「でもやっぱり、未婚のまま子供が歳を重ねると、母親自身にもプレッシャーが重くのしかかる」

という、複雑なジレンマの中にあると考えて良さそうだ。

もちろん、この類のジレンマは昔から存在していた。しかし個人主義が浸透し、結婚の話題において子供の意思を尊重する傾向が強くなった昨今においては、母親の心境への重圧もより一層重くなった感があるのだが、どうだろうか。


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