動画CM テレビCMと比べると?
2010/07/15 12:00
回線や個人のパソコンの高性能化、技術の進歩、さらにはYouTubeをはじめとした動画共有サイトの普及で、「動画を使った番組・情報配信」は当たり前のように行われるようになった。それと共にコンテンツの一部、あるいはテレビ放送と同様に動画を配信する際に、提供側がビジネスモデルとして用意したのが「広告の挿入」「閲覧の有料化」の2つのパターン。要は通常のテレビ視聴と同じスタイルなわけだが、【eMarketer】ではこの問題で「動画に広告を挿入することは、配信側が危惧するほど視聴者に嫌がられていないようだ」という調査結果を分析している(【該当記事】)。
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これは調査会社の【Frank N. Magid Associates】がeMarkterに2010年6月29日に提示した資料によるもので、有効回答数は1800人。対象年齢は8-64歳で、年齢区分・階層は非公開。
ネット上の動画広告には「動画配信の前後に強制的に閲覧させられる」「視聴中の動画の一部(大抵は下部)に広告が挿入される」の2パターンがある。これらの広告について、テレビのCMと比べてどのように感じるかを尋ねた結果が次のグラフ。約半数は「テレビCMと同じくらいだネ」とし、「インターネットなのにテレビと同じようなCMを強要されるだなんてウザい」と愚痴はこぼしていないことが分かる。
↑ テレビCMと比べてオンライン動画の広告をどのように感じるか
ただし「オンライン動画広告の方が受け入れやすい」に比べ「受け入れ難い」の方が多いところを見ると、配信の仕方次第ではテレビCM以上に嫌われることもあるようだ。
これを性別・年齢階層別に見た結果が次のグラフ。
↑ テレビCMと比べてオンライン動画の広告をどのように感じるか(性別・年齢階層別)
・「同程度」と認識するのはすべての世代で
・男性は高齢化により「テレビよりウザい」と感じるが、女性は逆に感じなくなる
・女性に限り、高齢化と共に「判断出来ない」層が増加する
20歳前後の層でオンライン動画のCMを「テレビより受け入れられる」とする人が多い事については、元記事では「そもそも論としてテレビCMをあまり見ていないからでは?」という仮説を立てている。別調査機関の調査結果として、テレビと動画の双方を観る人の2/3が「オンライン動画の方がCMが少ないからいいネ」と答えていたものの、同時にCM部分による動画の中断を、より寛容的にとらえているという結果が出ていたからだ。要は同じ長さのCMでも、テレビよりはオンライン動画の方が許容出来得るという話(演出方法の違いなどもあるのだろう)。
動画配信の仕組みを無料で提供するインターネットサービスの多くが、前後に広告動画を挟んだり、閲覧するページで広告提供を行い、収益源としている。それは通常のテレビの収益モデルと何ら変わるところが無い。当然有料会員制などの仕組みを用いれば、広告は無くなり、よりスマートな動画視聴が可能となる。
今件調査はあくまでもアメリカでの話であり、動画の普及や広告モデルの変遷で違いを見せる日本で、まったく同じ結果が出るとは限らない。しかし個々が広告付きの動画を視聴する場面を想像すれば、あながち的外れなものでも無いことが理解できよう。
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