ネット通販 全支出額の約1割

2010/07/12 12:05

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これからも成長?先に【商品レビュー、「愚痴」と「賛美」どちらを書くことが多い?】で調査会社のニールセンが2010年6月29日に発表した研究レポートを元に、「購入商品の感想をオンライン上に書くとき、賛美と愚痴、どちらが多いか」について触れた。このレポート【Global Online Shopping Report】ではオンライン通販(ネット通販)の多種多様な事情が語られていて、非常に参考になる内容となっている。今回はそのレポートから「世界の地域別に、全体の出費のうちどれほどの金額をネット通販で費やしているか」について見ることにする。



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今調査は2010年3月8日から3月28日にかけて、世界55か国を対象に2万7665人のインターネットユーザーに対して行われたもの。国毎にインターネットの普及率・自由な回答が出来る比率が異なるため、「国全体の状況」よりは「国の中でネットを自由自在に使える層」における傾向ととらえた方が近しい。

毎月の出費総額のうち、何%くらいをネット通販で消費しているか、その割合区分を地域毎にグラフ化したのが次の図。世界全体では「5%未満」が44%・「6-10%」が29%で、合わせて「1割以下」が73%という計算になる。

↑ ネット通販利用額の全消費額に占める割合(月あたり)
↑ ネット通販利用額の全消費額に占める割合(月あたり)

大半の地域で「5%未満」が4-5割、「1割以下」が7割以上を占めている中、アジア太平洋地域がやや特異な値を示しているのが分かる。「5%未満」は35%でしかなく、「6-10%」も31%。「1割以下」は66%と、全地域の中で唯一70%未満の値を見せている。

中東での買物風景ただし「75%超」の値が無いところを見ると、「アジア地域はまんべんなく広まっている」「中東や北米ではヘビーユーザーとほとんど購入しない層の二極化が見られる」ことが予想できる。実際同調査別項目では「どんなネットショップでよく買物をするか」という設問があるが、中東・アフリカ・パキスタンでは47%の人が(インターネット経由の質問にも関わらず)「まだネット通販を利用したことがない」と回答しており、二極化の推論が裏付けられる。

さてこれらの値について、利用割合の中央値を用いて概算平均を算出したのが次のグラフ。公開されている割合が整数値までのため、多分にぶれが生じている可能性があるため、「概算平均」とさせてもらった。

↑ ネット通販利用額の全消費額に占める割合(月あたり)(概算平均)
↑ ネット通販利用額の全消費額に占める割合(月あたり)(概算平均)

アジア太平洋地域がやや抜きん出ているが、総じて1割強という値にさほど変わりは無い。毎月15万円を色々な買物に費やしているとしたら、1万5000円は何らかの形でネット経由にて購入しているという計算になる。

ネット通販元資料では意外にオンライン経由の購入額比率が低い事(今調査はインターネットを多分に使える人を対象にしていることに注意)、特に1割未満が73%と四分の三近くも占めていることに対し、「今後ネット通販が飛躍的に伸びるための、相当な余地がある」と言及している。実際、上記にもあるように中東・アフリカ・パキスタンでは47%の人が、他の地域でも1割強が「まだネット通販を利用したことがない」と回答していることや、「オンライン上でしか商品を展開していないネットショップ」で購入する人が少数派であることを考えると、「飛躍的」か否かは別だが、相当な「のびしろ」はあると考えてよい。特に、偽りなしに「飛躍的に」普及率が高まっている携帯電話経由でのネット通販利用が増加するに違いない。



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