iPadの利用者は40代前後が最多、日本では男性8割・女性2割

2010/07/10 12:05

このエントリーをはてなブックマークに追加
iPadアメリカに遅れること一か月の2010年5月28日に日本をはじめ諸外国でも発売を開始した、アップル社のタブレット型情報端末iPad。多方面に大きな影響を及ぼしつつあるものの、【iPadとiPhone4、双方欲しい人は三人に一人】などにもあるように、保有者はまだ少数に限られている。その利用者に関する興味深いデータが【Business Insider】に掲載されていた。米Yahoo!に来場するiPad経由のユーザー区分についての分析で、現在iPadをどのような人が使っているのかがおぼろげながらつかみ取ることができる。今回はこのデータについてチェックを入れてみることにしよう。



スポンサードリンク


まずは純粋なiPad経由でのYahoo!来場者男女比。

↑ Yahoo!の性別iPad来訪者比率
↑ Yahoo!の性別iPad来訪者比率

熱烈なファン、つまり早期購入者は男性が2/3を占めていたが、現状ではやや女性の比率が上がっている。しかしYahoo!そのものの来場者全体における傾向と比べれば、まだまだ男性の方が多い。

続いて、なぜか日本にスポットライトを当てたデータ。

↑ Yahoo!の性別iPad来訪者比率(日米)(早期購入者)
↑ Yahoo!の性別iPad来訪者比率(日米)(早期購入者)

アメリカの現状も、日本をのぞいた世界平均も大体2対1の割合だが、なぜか日本だけが4対1で男性の方が多い。この結果から元記事では「日本の女性は明らかにアンドロイドなタブレットマシンを待っている」と解説しているが、むしろこれは「日本ではデジタル系のアイテムに深い興味を持つ(特にアップル系のアイテムを好む)人は男性に多い」と見るべき。

次いで、もっとも興味深いのがこのデータ。iPad経由でアクセスした人の年齢階層比を示したものだが、単純な比率・Yahoo!そのものの(他端末経由も合わせた)アクセス比率との差異双方を見ても、40代を中心にした人が利用しているのが分かる。

↑ 年齢階層別・iPad経由のYahoo!利用者とYahoo!全体の比率との差異
↑ 年齢階層別・iPad経由のYahoo!利用者とYahoo!全体の比率との差異

単純な構成比(青色棒)だけなら「Yahoo!そのものの利用性向と同じなのでは」とも判断できるが、Yahoo!全体の年齢階層別構成との比で見ても、40代前後、具体的には30-54歳、特に35-44歳の層が大きな値となっている。逆に30歳未満、特に20歳以下は絶対値もYahoo!全体の利用性向との比でも小さな値。これは後述するが、ひとえにiPadの価格によるものと推定される。

最後に各国のiPad早期購入者が、どれくらい技術的な事に深い関心を抱いているかの割合を、アメリカの場合を1.0とした時の比率で計算したもの。恐らくはiPadを利用した人のログを追いかけ、Yahoo!内で技術的なキーワードを使って検索したか、関連するページを閲覧したか否か(あるいは割合)で、「この人は技術的なことに深い関心あり」と判断しているのだろう。一言で表現すれば「iPad早期購入者における、ギーク度の高い人の割合」というところか。

↑ 各国のiPad早期購入者のうち、技術的な事に深い興味関心を抱いている人の割合(対アメリカ比)
↑ 各国のiPad早期購入者のうち、技術的な事に深い興味関心を抱いている人の割合(対アメリカ比)

このグラフを見る限り、イギリスやオーストラリアではiPad早期購入者の多数が技術的なマニアの可能性が高いことになる。逆にいえばアメリカでは、技術への興味のあるなしに関わらず、(Yahoo!にアクセスするのも含めた)インフラとしての普及が進んでいるということか。



【iPadが欲しいのか、それともタブレット機が欲しいのか!?】でも触れているが、iPadを買わない理由の多くに「値段が高い」がある。もちろん機能対費用で見れば高いコストパフォーマンスを誇る端末ではあるものの、純粋に「お金が出せるか否か」という点でパスをせざるを得ない場合も考えられる。年齢階層別で見た場合、特に若年層の比率が低いのは、単純に「高くて買えない」のが一番の要因だろう。

iPadiPadの男女比が(Yahoo!に代表されるような)ネットサービス利用者全体の比率と同じようなものになるか否かは分からない。とはいえアメリカの事例を見る限りでは、もう少し女性比は増えるだろう。一方日本の場合、今後の動向は未知数。「マニア層」の男女比、デジタル系アイテムに使えるお小遣いの額の男女の差、そして何より「携帯電話に心頭している女性が、必要性をどれだけ感じるか」で考えると、「20%」という比率から大きく上昇することは無いものと思われる。

今後類似の他社タブレット端末が登場すれば、あるいは元記事にもあるように、「アンドロイドなタブレットに女性が殺到する」などという状況も見られるかもしれない。



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS