既存広告への危機感、6割近くが体感

2010/07/08 06:46

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コマーシャルネットエイジアは2010年7月6日、戦略PRに関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、「広告が効かない時代になってきた」と感じている人は全体の6割近くに達していることが分かった。宣伝担当に限れば7割強の人が同意を示している。直接的に物事をアピールする既存の広報宣伝スタイルでは無く、日頃から雰囲気を作りあげていくCI活動的な戦略の重要性が示唆される結果となっている(【発表リリース】)。



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今調査は2010年6月25日から28日までの間に20歳以上の仕事勤めをしている人で、業務が「政府・自治体広報、企業広報、学校・医療法人広報、団体広報、IRなど」「広告宣伝・販売促進・プロモーション・ブランディングなど」「WEBサイト企画、WEBサイト管理など」「企業経営・マネジメントなど」のいずれかであると回答した人を対象に、携帯電話のインターネット経由で行われたもので、有効回答数は689人。男女比・年齢階層比は非公開。

調査母体に対し「広告が効かない時代になってきた」と感じているか、言い換えれば既存型の「直接商品やサービスをアピールして『買おう』『使おう』と訴えかける広告手法」が以前と比べると有効性の面で落ちてきたと体感しているか否かについて尋ねたところ、全体では6割近い人が多かれ少なかれ同意を示した。

↑ あなたは「”広告”が効かない時代になってきた」と感じているか
↑ あなたは「”広告”が効かない時代になってきた」と感じているか

興味深いのは、宣伝・ウェブ担当・経営者等はほぼ同じ認識を示し、現場に一番近い宣伝担当ではむしろ強く感じているのに対し、広報宣伝部局ではやや上に位置する広報担当は、認識が比較的薄い結果が出ている事。それでも4割強が「最近”広告”が効きにくくなってきたなあ」と思っていることが分かる。

「広告が効かない」は
「”これまでの”広告の
やり方が効かない」と同意。
リリースでは「戦略PR」という言葉を使い、「事前に意思を伝える消費者側に、聞く耳を立ててもらうような雰囲気を作り上げておく活動の重要性」が注目されつつあることを説明している。そしてその「雰囲気作り」のために、情報収集や分析、そして場づくりのためのメディア(特にインターネット系のメディア)の活用が欠かせないとしている。ソーシャルメディア内でファンページを作り日頃から情報提供やコミュニティ形成の手助けをしたり、ブログで商品の開発レポートを伝えるのも良い例といえる。

土壌づくりこれを一言で表現すれば「土壌創り」というところ。そしてさらに表現を変えれば、「既存の広告スタイルが通用しにくくなってきた」と表することもできる。ただこれは「広告すべてが通じにくい」のではなく、単に「新しいやり方が必要とされている」だけに過ぎない。

メディアやそれを利用する消費者側の意識変化により、これまでのやり方が通用しない場面が各所で見聞きされるようになっている。今回の広報宣伝に関する問いもまたその一つ。新しい価値観が浸透しつつあることに気が付き、それに対応する姿勢を取らなければ、時代の流れに取り残されるのも必然といえよう。



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