ネットやテレビ、口コミ、どの情報を信頼してお買い物をする? 主要国のメディアの情報源としての重要度
2010/07/09 05:05
【メールとFacebookとツイッター、企業とネット消費者を結びつける媒体の関係】や【企業戦略としてのSNS利用、急速に浸透中・ツイッターも猛追】などで解説しているように、【ツイッター(Twitter)】の普及をはじめとした「マイクロブログ」の普及で、企業への信頼の価値観は確実に変貌を遂げつつある。そのような状況を鑑み、【eMarketer】では調査機関のFleishman-Hillardによるレポート[Building Trust Through Brand Monitoring]を元に、その実情を解説していた。今回はおおもとのレポートを取得した上で、そのレポートに掲載されている「消費者の立ち位置から、各メディアをどれくらい情報源として重要視しているか」についてグラフ化してみることにした。
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今調査は2009年12月から2010年1月にかけてインターネット経由で行われたもので、全有効回答数は4243人。各国毎に年齢や性別、教育課程など各国の特性・傾向に基づく形でウエイト調整が行われている。なお中国のデジタル系項目の値が全般的に高いが、他項目の結果もあわせて考えると、これは調査母体においてデジタル社会に精通したニューリッチ層が多数を占めており、その結果今件の傾向のようなデータが出た可能性が高い。
今回の調査母体に限れば、各国ともインターネットをもっとも重要視している国は中国・アメリカ・日本・イギリスの4か国。一方ドイツ・フランス・カナダでは口コミ情報を最重要視する傾向がある。
↑ 消費者の立場から、各メディアをどれくらい情報源として重要視しているか
全般的に見ると、ドイツをのぞいた西洋諸国はメディア全般に対する信頼感が低い。これは【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度】などにも見られる傾向で、色々と経験を積み、メディアの本質を知ったことによるものと思われる(「メディア発信情報は天啓的なもので、絶対に信用できるものだ」という盲信で痛い目に合っている、商業主義が第一で真実・真相・信義則に基づいたジャーナリズム精神で事業が行われているとは限らないなど)。特にアメリカ・カナダ・フランスではインターネットやテレビ、新聞以上に口コミ情報を重要視しているのが特徴的。
他方、ドイツが比較的メディアへの信頼度が高いのには意外性だが(それでも「口コミ」がずば抜けて高く、最後に頼りになるのはメディアではなく周囲の「人間」であるという認識はされている)、日本や中国の値が高めなのが確認できる。やはりアジアでは全般的に、メディアへの信奉心が強いのだろう。
元資料では中国の今項目における数字上特異性について、「オンライン情報がもっとも重要視されている。しかし他の項目でも重要視度が高い」とのみ言及している。さらに別項目での言及だが、中国では情報網が欧米諸国と比べて発展途中の段階にあるため、新しいメディアに対する新鮮味が違うこと、さらには「これまでのメディアでは為し得なかった、新しい表現手段・はけ口を見つけたことによる現象ではないか」と分析している。
これは同国が巨大な市場の構築過程にある可能性を示すと共に、現行体制が根底からくつがえされうるというリスクもはらんだ現象に他ならない。以前の記事でも触れたが、このような状況を見れば、同国政府がインターネット経由で海外とのアクセスに厳しい制限を設けているのも理解できるというものだ。
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