テレビとネットとおしゃべりと…主要各国の「週どれくらいメディアに時間を費やしてるか」

2010/07/08 06:50

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おしゃべり【メールとFacebookとツイッター、企業とネット消費者を結びつける媒体の関係】【企業戦略としてのSNS利用、急速に浸透中・ツイッターも猛追】などで解説しているように、【ツイッター(Twitter)】の普及をはじめとした「マイクロブログ」の普及で、企業への信頼の価値観は確実に変貌を遂げつつある。アメリカの総収入上位500社からなる「フォーチュン500」の3/4以上の企業はツイッターにアカウントを持ち、信頼構築とブランド普及に励んでいる。そのような状況を鑑み、【eMarketer】では調査機関のFleishman-Hillardによるレポート[Building Trust Through Brand Monitoring]を元に、その実情を解説していた。今回はおおもとのレポートを取得した上で、そのレポートに掲載されていた「主要国毎の平均的な各種メディアへの接触時間の差異」を比較してみることにする。



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今調査は2009年12月から2010年1月にかけてインターネット経由で行われたもので、全有効回答数は4243人。各国毎に年齢や性別、教育課程など各国の特性・傾向に基づく形でウエイト調整が行われている。なお中国のデジタル系項目の値が全般的に高いが、他項目の結果もあわせて考えると、これは調査母体においてデジタル社会に精通したニューリッチ層が多数を占めており、その結果このようなデータが出た可能性が高い。

ともあれ、まずはテレビや新聞などいわゆる4大既存メディアから構成される旧来メディア系について。各国ともテレビが圧倒的に大きく、次いでラジオ・新聞・雑誌の順となっている。

↑ 週当たりのメディアへの消費時間(時間)(旧来メディア系)
↑ 週当たりのメディアへの消費時間(時間)(旧来メディア系)

【男性10-30代は「テレビよりインターネット」・年齢差きわだつメディアへの接触時間】などでも触れているように、日本では大きくラジオや新聞、雑誌離れが進んでおり、それが今回のデータでも反映された形となっている。似たような傾向を示しているのは中国とフランス。一方でイギリスではテレビやラジオへの傾注時間が長めなのが確認できる。

続いてデジタル系メディア。どの国でも1日換算で2時間以上はインターネットを利用している計算になる。

↑ 週当たりのメディアへの消費時間(時間)(デジタル系)
↑ 週当たりのメディアへの消費時間(時間)(デジタル系)

あれだけ「携帯電話に熱中している」「インターネットにべったり」といわれている日本だが、世界からみればまだまだ時間は短く、上には上がいることが見て取れる。

最後にその他系。デジタルでも既存4大メディアでもない、例えば郵便物や他人とのおしゃべりなどが該当する。

↑ 週当たりのメディアへの消費時間(時間)(その他系)
↑ 週当たりのメディアへの消費時間(時間)(その他系)

ドイツの「友達や家族、同僚との雑談など」が際立って大きく、このデータからは1日1時間近くをそれに費やしていることが分かる。他は「ラジオやネット以外での音楽視聴(カセットや携帯音楽プレイヤーが該当)」が案外長めなこと、西洋諸国では郵便物を閲覧する時間も短めな感がある程度か。



口コミ元資料では中国のインターネット・携帯電話消費時間が異様に長いこと、イギリスではテレビやラジオの消費時間が長めな事などについて「そういう現象がある」と言及するのみで、具体的な理由は説明されていない。やはり中国のインターネットに対する浸透・傾注度が異様に高いのは、調査母体そのものの多数が「デジタル社会に精通したニューリッチ層」で構成されているからだろうか。

しかし彼ら・彼女らがインフルエンサー(インターネットも含めた口コミの世界の上で、情報発信源となる影響力の強い人たち)となれば、結果として多くの人に情報が浸透していく可能性も十分考えられる。

そのような状況を考慮すれば、同国政府がインターネット経由で海外とのアクセスに厳しい制限を設けているのも理解できるというものだ。



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