電子書籍の専用端末、いくらだったら買う?
2010/07/01 12:05
[楽天(4755)]と楽天リサーチは2010年6月25日、同社が運営する「楽天ブックス」が実施した電子書籍に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち電子書籍を利用したい人は、専用端末の希望価格について「5000円以下」と考えている人が4割近くに達していることが分かった。「5001円-1万円」の価格帯と合わせると、実に三分の二近くの人が「1万円以下なら購入しても良い」と考えている計算になる。昨今市場に展開されている専用端末の価格と比べると、隔たりが大きいことが確認できる(『発表リリース』)。
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今調査は2010年6月9日から10日にかけて楽天リサーチ登録モニターの中から20-69歳の男女1000人を対象にインターネット経由で行われたもので、男女比は1対1。年齢階層比は10歳区切りで均等割り当て。
調査母体に電子書籍の利用意向を尋ねたところ、利用意向を持つ人は64.3%、持たない人は35.7%となった。そしてそのうち利用意向を持つ人に、「電子書籍の専用端末がいくらなら購入しても良いと考えているか」を聞いたところ、最多回答層は「5000円以下」の38.7%となった。
↑ 専用端末がいくらであれば購入するか(電子書籍利用意向ありの人)
電子書籍購読用の専用端末として現在最も知名度の高い、アマゾンのキンドルは右の写真にもあるように、189ドルから入手が可能となっている。日本円なら1万7000円程度か。仮に「5000円以下」の層の上限である5000円で計算しても約3.4倍。「1万円以下なら」で算出すると63.3%の人が該当するが、それでも約1.7倍。まだまだ多くの人にとって、価格の面で電子書籍専用端末は手が届かない存在と考えてよい。
よほど特殊な事情や状況の変化がない限り、今後電子書籍が今よりもさらに普及し市場が拡大することは間違いない。端末の提供側はいかにコストダウンを図るか、そして「もう少し希望価格を引き上げても、この機能なら仕方がないかな」と思わせるような魅力を付加させることが求められる。
……あるいは普及済みの他の媒体に、安価な・無料のアプリケーションとして供給する、という手も考えられよう。専用端末のセールスは考慮せず、電子書籍そのもののシェア拡大を第一に考えるのならば、という前提が必要になるが。
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