子供達の夏休みネット利用、保護者も企業も注意が必要

2010/06/27 12:05

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夏休みにネットサーフィンをする子供夏休みに入ると子供達は自由時間、そして大人の目が行きとどかない場所での時間が増えるため、保護者にとっては気が気でならないという人も多いはず。そして昨今では【子供がネットトラブルを起こしそうな場所、親はちゃんと把握して……ない!?】にもあるように、オンライン上のリスクにも気を使わねばならない。そしてそのリスク増加は子供自身やその保護者だけでなく、各企業も留意する必要がある。【eMarket】ではアメリカの子供が夏休みに起こし得るオンライン上のトラブルについて検証するため、夏休みにいかなる行動を子供達がするのか、そしてどのような情報を公開しているのかについて、データを絡めていた。今回はこれを紹介してみることにする。日本でも十分参考になるはずだ。



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今データは【米国立サイバーセキュリティアライアンス(NCSA)】が2010年6月16日に【発表したリリース】などを元にしたもの。2010年6月に子供を持つ親に対して行われたもので、有効回答数は580人。親の視点から見て「今年の夏休みに自分の子供が、オンライン上で何にもっとも時間を費やすのか」について尋ねたところ、「オンラインゲームで遊ぶ」が32%ともっとも多い回答となった。しかし次いで「ソーシャルメディアを使う」が25%となっている。

↑ 今年の夏、子供達はオンライン上ではどんな事にもっとも時間を費やすと考えているか(親に質問、アメリカ、2010年6月、択一)
↑ 今年の夏、子供達はオンライン上ではどんな事にもっとも時間を費やすと考えているか(親に質問、アメリカ、2010年6月、択一)

オンラインゲームにしてもソーシャルメディアの活用にしても、親があずかり知らぬ場面で見知らぬ人と意思疎通をし、何らかのリスク(例えば「危ない大人」にだまされて呼び出されるなど)を生じる可能性は否定できない。ただ、大人の大部分は「子供は安全にインターネットを使う方法を知っている」と認識しており、さらに夏休みの間の利用制限をかける手を打っている。そして85%以上の大人は、定期的に子供がインターネットでどのような遊び方をしているかについてチェックをしているとのこと。

一方、携帯電話の普及でより容易にインターネットへアクセスできるようになったこともあり、子供達の「情報露出に対する危機管理」はあいまいなものになりつつある指摘もされている。こちらは「National Center for Missing and Exploited Children(行方不明や誘拐された子供を管理する国立機関)」などの調査によるものだが、10代の子供の多くが個人情報のインターネットへの露出について、ガードが甘くなる傾向が出ているのが確認できる。

↑ オンライン上にどのような自分の個人情報を公開したり共有しているか(アメリカ、10代の子供が対象、2007年と2010年)
↑ オンライン上にどのような自分の個人情報を公開したり共有しているか(アメリカ、10代の子供が対象、2007年と2010年)

学校のクラス内の黒板や、友達の間だけで交換される日記などと同じ感覚で、インターネット上の掲示板やソーシャルメディアに書きこんでしまうと推測される(後半部分の選択肢には、そのような狭い範囲内でも公開すべきでは無いモノもあるが)。それこそ全世界に向けてこれらの情報が発信され、リスクが跳ね上がることを知らないがための所業といえる。

インターネット上でサービスを提供する側としては、10代のユーザーは魅力的な利用者たりうる。特に携帯電話利用者においては、情報伝達のスピードの速さを考えれば、「神様」的な存在ですらある。しかし同時に、彼らはインターネット上の初心者でもあり、個人情報の取り扱いについて無茶なことをする可能性も多分に持ち合わせている。そのようなリスクを考慮し、彼らをいさめて啓蒙し、守ってあげるような仕組みを作る配慮が欠かせない。



今件はあくまでもアメリカでの話。社会文化などの違いもあり、まったく同じ事が想定できるわけではないが、インターネットと子供、そして企業を取り巻く環境と留意点においては、あまり違いは無いものと考えても良い。そして保護者や企業が起こさねばならないアクションもまた、大きな違いはないはずだ。



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