近居の子供世帯への「子供の結婚資金への支援」は4割台、定期的な支援は7割台後半が無し(最新)

2024/06/16 02:34

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2024-0610夫婦間で生まれた子供の多くは成人となると別居を果たし、そして新たな夫婦世帯を育むことになる。保護者はそのような子供の夫婦に、いかなり経済的援助をしているのだろうか。国立社会保障・人口問題研究所が5年おきの定点観測調査の最新版として2022年に調査を実施し、2024年4月26日に報告書を発表した全国家庭動向調査の第7回分の結果から、実情を確認していくことにする(【発表リリース:全国家庭動向調査】)。

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今調査の調査要項は先行記事の【夫婦別姓賛成派、夫がいる妻では賛成派6割強(最新)】を参考のこと。

次に示すのは冒頭で触れたように、結婚済みで別居をしている18歳以上の子供がいる妻に対し、その子供世帯に対してどのような経済的支援をしているかを尋ねた結果。結婚している子供が男性か女性かで小さからぬ違いが出ている。まずは子供世帯の居住地が、妻の世帯に対して近居の位置(居住距離60分未満。質問票には「よく使う交通機関で」とのただし書きがある)にある場合の回答。項目の並びは報告書での記載順としている。

↑ 別居中の子供夫婦に対して支援した割合(近居、複数回答、子供の男女別)(2022年)
↑ 別居中の子供夫婦に対して支援した割合(近居、複数回答、子供の男女別)(2022年)

もっとも高い値を示しているのは孫関連経費で、男性には46.9%、女性には58.6%。近居にいる孫には会いに行ける・会いに来る機会が多いこともあり、少しでも支援をしたくなるのだろう。同様に孫を対象としていると想定される教育費は3割台。

結婚資金は4割台。自分の子供の晴れ舞台となり、多くの人にとっては人生で一度の結婚式は、少しでもよい物にしてあげたいとの思いがあるに違いない。同じように人生で一度の人が多いであろう住宅資金は、男性には27.4%・女性には19.1%。金額がけた違いの費用がかかるため、少しでも支援してあげたいと思う人も多いであろうが、住宅の購入資金の支援ができるほどの余裕は妻側にもないのかもしれない。

他方、子供世帯から妻世帯への(日常的な)生活費補助としての仕送りはよく聞く話だが、その逆に子供世帯への生活費の支援は2割台前半。見方を変えれば、7割台後半は子供世帯への生活費の支援はしていないことになる。

これを遠居の位置(居住距離60分以上)にある子供世帯に対する実情で聞いた結果が次のグラフ。近居のグラフと縦軸の区切りを合わせ、比較しやすいようにしている。

↑ 別居中の子供夫婦に対して支援した割合(遠居、複数回答、子供の男女別)(2022年)
↑ 別居中の子供夫婦に対して支援した割合(遠居、複数回答、子供の男女別)(2022年)

近居の子供夫婦への場合と比較して、住宅資金や孫関連経費の値が低く、生活費や教育費、そして「無し」の値が高くなっているのが目にとまる。遠居にいるため、物理的な距離以外に気持ち的なつながり方も変わってくるのだろうか。孫関連経費が低くなるのは帰郷などで会える機会が少なくなるから、生活費や教育費が高くなるのは日々の生活そのものが心配になるからかもしれない。


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