旦那さん、どれだけ家事を助けてる? 妻の働き方別・夫婦間家事分担実情(最新)

2024/06/13 02:50

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2024-0608夫婦世帯で少なからぬ妻がパートなどの非正規社員として働き、いわゆる兼業主婦化している昨今では、家事の夫婦分担が大きな課題となる。主婦の就業時間が長く、負担が重くなるに連れ、家事の負担が重圧としてのしかかるからだ。それでは現状ではどれほどの割合で、妻は家事を負担しているのだろうか。夫はどこまで代替しているのだろうか。妻の就業スタイルによって変化は見られるだろうか。国立社会保障・人口問題研究所が5年おきの定点観測調査の最新版として2022年に調査を実施し、2024年4月26日に報告書を発表した全国家庭動向調査の第7回分の結果から、その現状を確認していくことにする(【発表リリース:全国家庭動向調査】)。

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今調査の調査要項は先行記事の【夫婦別姓賛成派、夫がいる妻では賛成派6割強(最新)】を参考のこと。

1日はどれほどがんばっても24時間しかなく、睡眠や疲労回復のための休み、プライベートな時間を考慮すると、主婦は専業主婦でいるよりはパートやアルバイトなどの非常勤勤務、そしてパートなどよりは常勤の仕事に就いている方が、家事に従事できる時間は少なくなる。そして時間が少なくなればその分、家事がおろそかになる可能性が生じ、休日に補完している姿が見受けられる。

↑ 妻の従業上の地位別にみた妻の家事平均時間(平日、平均、分)(再録)
↑ 妻の従業上の地位別にみた妻の家事平均時間(平日、平均、分)(再録)

出来れば夫に少しでも家事(今件においては育児は含まれていない)の手伝いをしてもらい、負担を軽くしたい、家の中の家事をしっかりとしておきたいとの気持ちを主婦が持つのは理解に容易い(【家事時間 男女の差異は約4倍 「もっとやって」と女性の不満も】)。それでは現実のところはどのような分担割合になっているのだろうか、との疑問に答える調査項目の結果が次のグラフ。

↑ 妻の就業形態別にみた妻の家事分担割合(2022年)
↑ 妻の就業形態別にみた妻の家事分担割合(2022年)

いずれの就業形態においても、妻が多くの家事を担当するタイプ(高負担タイプ、グラフ中赤系統色の部分、8割以上)は高い比率を示している。しかし専業主婦、自営・家族従業、非正規の場合は高負担タイプが8割内外なのに対し、常勤の場合は5割ほどにとどまっている。物理的な時間の問題、そして妻が常勤で働く状況であらかじめ夫婦間で家事分担の取りきめなとがしっかりと行われているケースが多いことが想像できる。

一方、真赤の部分、つまり「100%。妻が家事をすべて行い、夫は家事においてはノータッチ」の世帯も少なくない。正規ですら9.6%は全部の家事が妻担当との結果が出ている。もっとも上記の通り今件は「家事」に限定されており、育児は多分に夫が担当の場合もある。また妻の常勤も一日8時間フル勤務ではなく、例えば半日のみとの事例もあるだろう。それでもなお、常勤で家事も全部担当するのは、少々辛い感は否めない。

この役割分担について比較できる2003年以降の分に関して、それぞれの調査結果の平均値を算出したのが次のグラフ。

↑ 妻と夫の間での家事分担割合の平均
↑ 妻と夫の間での家事分担割合の平均

ほんのわずかずつだが、夫の分担は増えているようである。

実際には個々の世帯毎で細かな状況・環境の違いもあり、一概に今件調査結果が絶対的な正解であると言い切ることはできない。夫も夫で毎日深夜まで働き、帰りが遅くなり、家事までとても手掛けられない可能性もある。とはいえ、例えばゴミ出しや食後の後片付けくらいは、時間が無くともできるはず。夫のちょっとした配慮、気遣いが、妻の負担を大きく軽減すると考えれば、多少の面倒くささなど吹き飛んでしまうに違いない。


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