東京都民「自動車要らない」「持つの止めた」理由は?
2010/06/11 12:05
東京都は2010年5月31日、「自動車利用と環境に関する世論調査」の結果概要を発表した。それによると調査母体においては、バイクや軽貨物も含めた自動車を保有している人は59.3%に達していることが分かった。また以前保有していた人で保有を止めた人の理由には「維持管理費がかかる」が、自動車を保有するつもりが無い人の理由には「徒歩と公共交通機関で十分」がそれぞれトップについている(【発表リリース】)。
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今調査は住民基本台帳に基づく層化二段無作為抽出法で選ばれた、東京都に住む満20歳以上の男女個人を対象に調査員による個別訪問面接聴取法で行われたもので、有効回答数は2078人。男女比、年齢階層比などは非公開。
普通乗用車以外に軽貨物車やバイクも含めた「自動車」を回答者本人が所有しているか否かについて尋ねたところ、所有していたのは59.3%。約6割が自動車持ちという結果になった。
↑ 自動車を所有しているか(軽貨物、バイク含む)
元資料では別々にグラフ化されている「所有している・いない」「所有者は何台所有しているか」を一つにまとめてグラフ化したわけだが、所有者の大部分が1台のみで、複数台数所有は2割以下。所有するつもりはない人は2割、以前は所有していたが今は無い人が1割強となっている。
「1台保有している人でもバイク保有者は多いのでは?」との意見もあるだろう。しかし(グラフ化は略するが)1台所有者の65.8%は普通乗用車。バイクのみの所有者は6.9%でしかない。ただ、バイクの所有は2台目では23.3%・3台目では32.7%と上昇しており、「乗用車の副次的な移動機関」としてバイクを考えている向きがある(スクーターなども含まれるからだろう)。
では、現在自動車を所有していない人の、持たない理由はなんだろうか(自動車関連の人には一番気になる話だ)。自動車非保有者のうち、「以前所有していたが今は持っていない(所有を止めた)人」「自動車を所有するつもりが無い人」それぞれに、その理由を複数回答で聞いた結果が次のグラフ。
↑ 自動車所有をやめた理由(複数回答)
↑ 自動車を所有するつもりがない理由(複数回答)
2割以上をピンク、4割以上を赤で着色したが、
「所有するつもり無し」……「徒歩と公共交通機関で十分」「自動車を利用する必要が無い」「自転車で十分」「維持管理費がかかる」
が大勢を占めているのが分かる。しかも項目を良く見ると、「徒歩と公共交通機関で十分」「自動車を利用する必要が無い」「自転車で十分」は内容的にほぼ同じなので、「公共交通機関が十分に発達しているし近場なら自転車で十分なので、自動車を使うまでも無い」と「お金がかかる」の2点に集約することができる。
今調査は「東京都民」を対象にしたもの。公共交通機関が発達していることや、商業・公共施設が住宅地域の比較的近場にあることを考えれば、「公共交通機関が十分に発達しているし近場なら自転車で十分」という理由も良く分かる。そして相対的なコストパフォーマンスが低下するから(、さらに駐車場代も高いので)、「維持管理費がかかる」項目に多くの同意が集まるのも容易に理解できる。
自動車の所有性向が低下している原因については【外より家、遠出より近所……変わる若年層のライフスタイル】や【若年層「自動車無くてもいいヤ」その理由は「責任やリスクは極力避けたい」!?】などで、特に若年層の「社会の変化に対応したライフスタイルの変貌」が主要因の一つであることを挙げた。そして今件を見る限り、「インフラや公共施設の整備による社会環境の充実」も、自動車所有のモチベーション低下の一要因として考えて良さそうだ。
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