動画を1000回アップ・ダウンロードを繰り返したら画質はどこまで劣化するのだろう

2010/06/07 07:10

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1000回目アニメ「ルパン三世」の最初の劇場公開作にして、ある意味もっとも有名な映画が『ルパン三世「ルパンVS複製人間」』。この作品に登場するある人物が、自分をクローン技術で複製し繰り返していくうちに、自身が劣化してしまうことを嘆くという場面がある。当方(不破)はこのシーンを観た時に「結局カセットテープと同じか」と思ったものだ。今や記録メディアとしては過去のものになりつつある(が一部では逆に人気上昇中でもある)カセットテープは、ダビングする際の音の劣化が激しく、5回ほど繰り返すとほとんど別人の声に聴こえてしまうテープが出来上がる、ということもある始末。デジタルデータが取り扱われる今現在では基本的にそのような劣化は無いはずだが、アップロードやダウンロードの際のシステム上の都合でデータの一部がカットされ、結果として画像や音声がわずかに劣化してしまう場合はある。それではその「わずか」を何度となく繰り返したらどうなるのか? 頭が痛くなるような回数を繰り返し、それを実験したレポートが【urlesque】で紹介されていた。



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実験が行われたのは世界最大手の動画共有サイトYouTube。Patrick Liddell氏は自分を紹介する45秒ほどのビデオを録画し、それをmp4形式でアップロード。そしてアップロードされたデータをflv形式でダウンロードし、再びmp4に変換してアップロード。このプロセスを1年かけて1000回繰り返した。なお今回の動画は音質の問題もあるので、再生にはボリュームなどの調整をして小さな音量にしておくことを忘れずに。


↑ 一回目。I Am Sitting In A Video Room 1。
↑ 1回目。I Am Sitting In A Video Room 1。

1回目の時点から画質があまり良くない云々は別として。映っているのは撮影者自身がビデオルームにいるところ。書籍や謎のポスターなどが見える。


↑ 50回目。I Am Sitting In A Video Room 50。
↑ 50回目。I Am Sitting In A Video Room 50。

まるで少々性能の悪い携帯電話で撮影した動画のような感じ。音声もノイズが混じるように。ただ、まだそれとなく最初の動画と同じようなものだという認識はできる。


↑ 500回目。I Am Sitting In A Video Room 500。
↑ 500回目。I Am Sitting In A Video Room 500。

ここまでくると音声はまるで宇宙人か早回しのテープの再生のようにしか聴こえず、画像も油絵の抽象画の如し。何の前知識も無くこれを見せられたら「宇宙人との交信映像?」と思われても仕方が無い。かろうじて各エリアの色の変化が分かる程度。


↑ 1000回目。I Am Sitting In A Video Room 1000。
↑ 1000回目。I Am Sitting In A Video Room 1000。。

そして1000回目になると、もう何がなんだか良く分からない状態。500回目が抽象画なら1000回目はサーモグラフィの画像を観ているかのようですらある。結果としては「劣化どころのレベルじゃないぞ」ということになる。

冒頭で触れたように「マスターの画像自身の質が悪い」、そして落としたflvファイルをmp4に変換する時に劣化してるのじゃないのか、という感もある。しかし今回は元記事と同じ場面の動画をピックアップしたが、検証用としてアップロードされた1000本分はしっかりとすべて収録されている。【当人のアップロードした画像一覧】を見ると、それほど性能の悪い変換ソフトを使っているとも思えない。

↑ 本人のアップロードした動画一覧。確かに1000回、ちゃんとアップロードされている。アイコンがどこかのアニメを用いているのには少々腰砕けになるが(笑)
↑ 本人のアップロードした動画一覧。確かに1000回、ちゃんとアップロードされている。アイコンがどこかのアニメを用いているのには少々腰砕けになるが(笑)

ともあれ、1000回律儀に作業を繰り返したチャレンジ精神には素直に敬服したいものだ。願わくば彼に努力の分だけ幸あらんことを。



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