iPadの登場でネットブックを買おうとしていた人は……どうする、どうした?

2010/06/01 12:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
ネットブックとiPad先日ようやく無事に日本国内でも発売されたiPad。その使われ方、活用方法にはこれから多くの個人や企業が試行錯誤を続けるはず。機能上の立ち位置としては昨年大いにパソコン市場を盛り上げた「ネットブック(ミニノート、ラップトップパソコンより小さくて機能をネットアクセスメインに切り詰めたモバイルパソコン)」に近く、ネットブック存亡の危機とまで言われている。iPadの発売では世界に先行しているアメリカの家電製品比較サイト【Retrevo】が先日(2010年5月24日)、ネットブックとiPadなどとの関係について興味深い調査結果を公開していたので、今回はこれを紹介することにしよう(【元記事:New Data Shines Light on Future of Netbooks】)。



スポンサードリンク


今調査はRtrevoの利用者を対象に1000人以上のアメリカ人に対して行われたもの。年齢階層や性別などは未公開。

調査母体に対し、2010年1月に行われた、スティーブジョブズ氏によるiPadの発表があったあと、ネットブックの購入計画に変化はあったか否かを尋ねている。結果としては3割がネットブックからiPadに移行、7割が(気持ちの揺らぎを感じた人も4割いたが)ネットブックを購入したとしている。

↑ 2010年1月にスティーブジョブズ氏による「iPad発表」があったあと、ネットブックに対する購入計画は変わったか
↑ 2010年1月にスティーブジョブズ氏による「iPad発表」があったあと、ネットブックに対する購入計画は変わったか

逆にいえば、ネットブック購入予備軍の3割がiPadに食われた、という考え方もできる。

一方、今後ネットブックやiPadを購入するつもりがあるか否かとの問いには78%がiPadの情報を収集中とある。ただこれは「すでに大多数がネットブック保有者である」という状況を考えれば当然の話。ネットブックを何台も買う酔狂な人はいないからだ。

↑ iPadかネットブックを買う計画はある?(購入に向けて調査している?)
↑ iPadかネットブックを買う計画はある?(購入に向けて調査している?)

それではネットブックを選ぶ人は、どんな点が魅力として映っているのだろうか。トップの理由は「小さくて軽いから」。言い換えれば機動力の高さを評価していることになる。

↑ 何でネットブックを選んだのか、その最大の理由は?(ラップトップではなくてネットブックを選ぶ人対象)
↑ 何でネットブックを選んだのか、その最大の理由は?(ラップトップではなくてネットブックを選ぶ人対象)

ネットブック(ミニノートパソコン)の使用目的については以前【利用目的と利用場所から見えてくるミニノートパソコンの人気の秘密】【ミニノート 約9割がパソコン通 買い増し目的8割以上も】で触れたように、「機動力の高さ」「サブマシンとして」のものが多い。その観点から考えれば、iPadやスマートフォンなどが取って代わりそうな気がするが、iPadはまだ高め(原文にもあるようにミニノートはiPadより200ドルほど安い)・スマートフォンは機能の面でパソコンより携帯電話に近く、ニーズを満たし得ないという点で、完全に代替しうるわけではない。

iPadやスマートフォンの拡充・普及で確実にネットブックのシェアは縮小傾向を見せるだろうが、完全に無くなることは無い。将来は大きくシェアを削ることは確実なものの、(これもまた元記事にあるように)少なくとも2010年中は、それなりのシェアは維持できるはずだ。



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS