エアコン・除湿機・扇風機…室内干し、費用と時間を考えると、どれを使うのがベスト?
2010/06/03 06:00
【東京電力(9501)】は2010年5月25日、梅雨の際の洗濯や乾燥の実態に関する調査結果を発表した。その調査結果に付随させる形で、各種家電を使った場合の洗濯ものの乾燥時間とコストに関する検証データが掲載されていた。要は「室内干しをする場合、そのまま素で干すのと、エアコンなど各種機器を用いた場合、それぞれ時間やコストはどれくらいかかるのか」というものだ。あくまでも用意された環境下における結果で、すべての家庭で同じ相対関係になるとは限らないが、参考値として興味深いものがある。今回はこの検証結果にスポットライトを当ててみることにする(【発表リリース】)。
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今検証では、洗濯もの4.5キログラム(家族3人分相当)を乾燥させた状態を設定。各機器ごとに細かい設定があるが、それは元資料を参考のこと。その元資料にもあるように「実施場所、外気温、湿度、天候などにより試験結果は異なる場合がある」ので、あくまでも参考値として見てほしい。
室内干しの場合、気になるのは「乾くまでの時間」と「機器を稼働させた際のランニングコスト」。それこそクリーニング店でも開店できそうな大型のドライヤーを使えば短時間で乾くだろうが、それでは電気代で翌月の請求書がケタ違いの金額になりかねない。時間とコストの兼ね合わせが重要になってくるわけだが……
↑ 梅雨時における室内干しの乾燥時間とコスト
乾燥時間、つまり青棒は短い方が良い。そして赤棒のコストも短い方が安上がりで済む。その点で考えると、いくつかのパターンで計測した結果、赤四角で囲った4つのスタイル、すなわち「ヒートポンプ式洗濯乾燥機」「エアコン」「エアコンと扇風機」「除湿機コンプレッサー式」が無難ではないかな、という結果となった。
ぱっと見で「エアコン単独よりエアコンと扇風機を併用した方が、時間がかからないのは理解できるけど、コストも低いのは何で?」と思うかもしれない。これは右側の扇風機単独の値を見れば分かるように、扇風機のランニングコストは極めて低いことを起因とする。扇風機の使用でエアコンの使用時間が46分も節約できるため、「扇風機の利用によって節約できるエアコンの稼働時間分の電力」が「扇風機追加分の電力」を上回った結果である。
なお扇風機はコストは低いものの時間がかかること、さらに元資料で言及されているように「洗濯ものからの湿気を取り除けず、室内が湿気ることがある」ので注意が必要。また今条件下では「そのまま干し」た場合、8時間経過しても洗濯ものは乾かなかったとのこと。
さらに付随資料として、同調査結果本文中に掲載されていた、「平日で1日の間に誰もいなくなる時間(平均値)」を併記しておく。要は「室内干しをするのなら、誰もいない時に干しておきたいよね。でも平均すると『誰もいない時間』ってどれくらいなのかな」という疑問に応えるものだ。
↑ 平日において、1日の中で、自宅に誰もいなくなる時間は?(平均不在時間、単位は時間)
一人暮らしで不在時間が長い場合は、時間は多少長くなるがコストが低い除湿機でもまったく問題無し。しかし夫妻や親子、三世代で生活している場合には、エアコンなどを使って「いない間に乾いておいてね」とした方がいいのかな、という感はある。
これから梅雨に入るにあたり、洗濯ものを室内で干さなければならない機会は多くなる。生乾きやカビ臭さの悲劇を避けるためには、いかに効率よく乾かすかを考えねばならない。特にエアコンと扇風機の合わせ技は有益であり、まだ使っていない人は今後検討するに値する手法といえよう。
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