インスタントメッセンジャーからソーシャルメディアへ…イギリスのインターネット利用時間の変化

2010/05/28 12:00

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イギリスのネット事情先に【ソーシャルメディアの現状が分かるバイラルビデオの新作「Social Media Revolution 2」を視聴してみる】でソーシャルメディアの飛躍ぶりを改めて認識させられるデータを確認したが、その中で「イギリスのモバイルインターネットのトラフィックの50%はFacebook経由によるもの」という一節があった。そのイギリスのパソコン経由でのインターネット事情をかいま見れるデータが、先日【nielsen wire】で発表された。2007年4月から2010年4月の3年間でインターネット利用時間そのものは65%増加したとのことだが、その内情は大きく変化している。今回はそれらの公開データをグラフ化してみることにした。



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まずは一時期流行った「もしも●×が100人の村だったら」的な表記スタイルで、「もしもイギリスのインターネット利用時間が1時間だったら」。ソーシャルメディア・ブログへの時間が単独ではもっとも長く13分36秒。大体四分の一を占める。次いで電子メールが4分18秒。この4分強のうちどれだけをスパムメールの処理にあてているかを考えると、色々とこみ上げるものがある。

↑ イギリスにおけるインターネット利用時間が1時間だったら何にどれだけ費やされたのか(2010年4月)
↑ イギリスにおけるインターネット利用時間が1時間だったら何にどれだけ費やされたのか(2010年4月)

スパムメール云々はともかく。原文にもあるように、3年前はインスタントメッセンジャーがもっとも時間を割かれる存在だったものの、今では電子メールやゲームに次ぐ立ち位置まで後退してしまっている。人々のニーズがざっくりと移動した形だ。それがよく分かるのが次のグラフ。百分率で2007年4月と2010年4月それぞれの、インターネット利用時間を示したもの。

↑ イギリスにおけるインターネット利用時間の区分推移
↑ イギリスにおけるインターネット利用時間の区分推移

ゲームや電子メールなどの利用時間率はあまり変わらない(総時間が増えているから、絶対時間は増加している)。劇的な変化が見られるのは、「ソーシャルメディア・ブログ」と「インスタントメッセンジャー」。知れた人たちとのセミリアルタイムな情報交換・対話ツールという観点ではインスタントメッセンジャーもソーシャルメディアも変わるところが無く、便利で拡張性・機能性に優れているソーシャルメディアに、インスタントメッセンジャーの時間が食われた形。

この区分推移の変化率(利用絶対時間の変化では無いことに注意)をグラフ化したのが次の図。

↑ イギリスにおけるインターネット利用時間の区分推移・3年間の変化率
↑ イギリスにおけるインターネット利用時間の区分推移・3年間の変化率

ソーシャルメディアの伸びがあらためて確認できる。



今件はあくまでもイギリスのお話で、日本とは事情が異なる。日本でもインスタントメッセンジャーはそれなりに普及浸透したが、独特な掲示板文化の浸透などが早期に起きたこともあり、インスタントメッセンジャーの利用時間はそれほど多くを占めなかったはず。日本でもソーシャルメディアの利用時間は(特にモバイル経由を中心に)急増しているに違いないが(【登録制への移行はmixiをどのように変えたか…mixiの現状(2010年3月末時点)】)、何の時間が食われているかまでは分からない。

テレビ業界では良く「ゲームに、インターネットに、携帯電話に時間もお金も食われてしまい、市場が縮小している」云々という話を聞く。しかしゲームはともかくインターネット・携帯電話の世界の中でも、利用性向の大きな変化は常に生じている。外から観た限りだけでなく内部でもメディアは常に動き、変化を遂げていることを、誰もが知っておく必要があろう。



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