男性シニア層の新聞購読率は95.8%! もっとも読まれているのは…
2010/05/23 12:00
メディア環境研究所は2010年4月21日、定年退職後の男性(60代男性)の生活パターンとメディアとの接触傾向に関する調査結果「60代男性:メディア&生活時間帯調査」の抜粋版を発表した。それによると調査母体においては、新聞の購読率としては読売新聞がもっとも高く、44.3%に達していることが分かった。次いで朝日新聞、日経新聞、毎日新聞の順となっている。新聞を取っていない人はわずか4.2%でしか無かった(【発表リリース】)。
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今調査は2010年1月28日から2月3日にかけて首都圏の60-69歳の男性に対して郵送による日記調査方式で行われたもので、有効回答数は433人分(有効回収率66.3%)。フルタイム勤務者は44.8%・時間勤務者7.6%・日短勤務13.6%・その他8.0%・無職27.9%。69歳に限っても無職は47.8%で、何らかの形で就労している人が52.2%に及んでいる。
新聞の購読率は【週刊誌や雑誌、書籍の支出額(拡大版)…(下)購入世帯率や購入頻度の移り変わり】によれば、世帯ベースでは7割強の世帯が購入していることになる。一方【新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的】にもあるように、シニア層においてはテレビ同様に新聞への傾注度は並々ならぬものがある。
他方、新聞そのものの発行部数(※新聞社発行≒販売店への卸し(販売)数という意味であり、読者や法人への販売数・到着数では無い)は、直近データの【読売1000万部確保、毎日は前期比マイナス1.75%…新聞の発行部数など(2009年分データ更新・補完版)】によれば読売が1000万部超えでトップ、次いで朝日・毎日・日経の順となっている。
↑ 2009年後期における主要全国紙の朝刊販売数(万部)(再録)
それでは調査母体において、「定期購読をしている」新聞はどのような分布になっているだろうか。冒頭でも触れたように、読売新聞が44.3%と半数近くでトップの座についている。男性シニア層の4割強は読売新聞の愛読者、という計算になるわけだ。
↑ 定期購読新聞(複数回答)
興味深いのは「発行部数」と比較すると読売・朝日はほぼそのままの形を引き継いでいるものの、日経新聞と毎日新聞がまったく逆の立ち位置についていることだ(販売数・発行部数グラフには東京新聞は入っていないこと、今調査が首都圏対象であることを考えると、産経新聞が東京新聞の次についているのは仕方が無い)。
これが単純に「男性シニア層には毎日新聞より日経新聞の方がウケが良い」のか、それとも「発行部数と読者到達数との間に何らかの隔たりがあるのか」、このデータだけでは判断できない。
また、個々の新聞云々を別にすれば、男性シニア層の95.8%は新聞を購読している計算になる。【20代の4割近くは「新聞を購読せず」】などにもあるように「若年層ほど新聞は読まず、高齢者ほど熱心に読む」傾向は多数の調査機関が結果を出しているが、あらためて「男性シニア層の新聞熱中度の高さ」が見て取れる。
今回の調査母体はいわゆる「団塊世代」のストライクゾーンにある。良しにつけ悪しにつけ何かと話題に登ることが多いこの世代が、いかに新聞にぞっこんなのか、そして具体的にどの新聞を愛読しているのか。それを知ることで、他の事象との関連性が見えてくることもあるだろう。
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